コロナワクチン接種したいのに打てない 「健康上の事情」に苦悩する女性の告白

   日本では新型コロナウイルスのワクチン接種完了者が、2021年10月7日現在で62.7%に到達した(首相官邸公式サイト)。

   しかし、さまざまな理由、特に健康上の事情から「接種したいのに打てない」人がいる。J-CASTトレンドは、ひとりの女性に取材。自分ではどうにもできないことへの苦悩が聞こえてきた。

ワクチンさえ打てば解決するのに…自分ではどうにもできないことへの苦悩(写真と本文は関係ありません)
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過去に重度のアナフィラキシーショック

   50代の女性Aさんは、教育系の仕事をしている。家族は5人。Aさん以外はワクチン接種済みだが、家庭内でも全員マスクで過ごしている。

   Aさんは、過去に造影剤で重度のアナフィキラシーショックを起こした。厚生労働省の新型コロナワクチンに関する情報では、過去にアレルギー反応やアナフィキラシーを起こしても、「接種を受けられないわけではありません」。しかし、医師6人に相談したところ、接種の可否を判断するはっきりとした答えは誰からも返ってこなかった。

   これでは、接種してよいかどうか迷う。コロナワクチンに、Aさんがアナフィキラシーを引き起こす原因成分は含まれていない。だが仮に症状がもう一度出たら、悪化する恐れが大きい。

「リスクがほかの人より多く、医師から(接種の)明確なゴーサインも出ない。不安しか残らない状況で、打つ覚悟が持てません。専門の医師から『大丈夫ですよ』と言ってほしい」

   声を震わせながら、こう語った。

離れて暮らす両親「今後会えないのでは」

   実はAさんは、がん闘病中だ。2021年5月に手術も受けた。国立がん研究センターの公式サイトには、「一部のがん患者さんは新型コロナウイルス感染症で重症化しやすい」とある。そのため「ワクチンを打ちたい、でも...」と悩んでいるのだ。

   コロナ感染リスクを避けるため、家からほとんど出られない。周りの人に気を遣わせていることへの負い目や感染への恐怖、離れて暮らす両親や姉妹に「今後会えないのでは」という不安も抱えている。しかし、家庭内で接種の話題が出ると、アナフィラキシーショックの恐れがぬぐえない状態で「命を懸けるのか」という話になる。

   Aさんが勤務する職場では集団接種が実施され、近しい同僚は皆、接種済みだ。一方Aさんは、在宅勤務を続けている。上司や同僚はAさんの状況を理解し、「出社しなくていいよ」、「ワクチンを打っていないから、来るべきじゃないかもね」と声をかけてくれる。

   しかし、その言葉が時につらくなる。「来なくていい」という言葉の響きで、ネガティブな思考に陥ることもある。

   接種したくてもできないAさん。しかし「表面的には、『打っている人』と『打っていない人』しかいません」。わけがあって未接種なのに、例えば「ワクチンパスポート」が登場すれば、理由はどうあれ「打っていない人」とひと括りにされてしまう。

「理解してもらうためには、打てない理由を話さなければいけなくなる。でも、話すのはつらい」

   Aさんの苦悩は深い。

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