「逃げ恥」作者に学ぶ「豊かな時間を過ごすコツ」 20年分の旅行記

【明日のベストセラー(61)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 7月は「夏休みに読みたい旅行・異国マンガ」というテーマでピックアップする。

「Travel journal」
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長期休暇の参考になる1冊

   第61回は、「逃げるは恥だが役に立つ」で知られる、マンガ家・海野つなみが20年にわたりつづった、エッセイ漫画風旅行記シリーズ「Travel journal」(著・海野つなみ)。編集者「たま」と、書店員「ヒナ」の2人の女性が、海外旅行からステイホーム期間のお家時間、大回り乗車での小旅行、ホテルのクラブフロアの利用など、様々な場面で非日常・旅行気分を楽しむ様子が描かれる。

   長期に渡り描かれた作品であるため、景気の変動やテクノロジーの進歩がエピソードに反映されているのが興味深い。収録作品のなかでも、トラブルだらけの「イギリス・フランス旅行編」は、海外旅行ならではのヒリヒリとした展開が続く。次々に発生するトラブルを、ホテルの予約やフライトを逃してしまう緊張感に包まれながら、知恵を絞り紙一重で解決していく。緊張と安堵の連続でリアルな海外旅行気分を味わえ、また教訓を得られるエピソードとなっている。国内、海外、家の中。移動する距離に関わらず、「豊かな時間を過ごすコツ」が散りばめられた、長期休暇の参考になる1冊だ。第1話はこちら。

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