垂水市民の苦悩を「ハイ!どうぞ!」 ありがたくない空の恵みが人気の土産に

   桜島の火山灰が鹿児島土産に--。「桜島」(鹿児島市)の降灰を詰め込んだ缶詰「灰缶詰~ハイ!どうぞ!~」がツイッターで話題になっているが、実は2010年から販売している。企画したのは、鹿児島県の垂水市役所だ。

   一風変わったこの商品はどのように生まれたのか。そもそも買う人はいるのか...。22年現在、製造・販売を担う障害者支援施設「城山学園」に取材した。

提供元:垂水市役所水産商工観光課商工業推進係
提供元:垂水市役所水産商工観光課商工業推進係
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購入者の9割が県外

   城山学園の担当者によると、話題になってから問い合わせが増えたと明かす。そのため、「このお盆がピークになってくるのかなと思います」。観光客が土産として買うのが主だといい、購入者は県外の人が9割を占めるという。

   鹿児島県のシンボルでもある桜島は、毎日のように噴火活動を繰り返しており、付近の街には火山灰が降ってくる。09年から活動が活発になり、降灰が増えたのがきっかけで、桜島に隣接する垂水市の市役所が販売を始めた。

   前出の担当者曰く、発端は鹿屋体育大学の田口信教教授(現在:医療創生大学理事、鹿屋体育大学名誉教授)が2010年に行った垂水市職員講演会で、垂水市の名所や特産品を活用したアイデアを披露したこと。その中のひとつに、「火山灰や溶岩の断片を詰めた缶詰の販売」も含まれていた。

   また、その後日、「道の駅 たるみず」を訪れた水迫順一前市長が、駐車場の隅に堆積した火山灰を、観光客が袋に詰めて持って帰っているのを目撃。これを垂水市のPR商品にし、降灰の悪いイメージを払拭できるのではないかと思い立ち、10年10月に試作品の製造・販売が始まったそうだ。

ラベル説明にユーモア込めすぎ

   商品自体もユニークだが、ラベルの説明も一風変わっている。

   原材料名には「桜島の降灰、垂水市民の苦悩」、内容量には「ありがたくない、空からの恵み 100cc」とあり、使用期限は「皆様の興味が無くなるまで」。

   商品を企画した、垂水市役所の水産商工観光課商工業推進係は、取材に対して「灰は通常購入しないものですが、購買意欲を刺激する目的で、ユーモアを込めました」と話した。

   なお、同商品を取り扱う店は4か所ある。そのひとつ「ファミリーマートくすりの大信鹿児島空港店」を運営する、エリアフランチャイズ「南九州ファミリーマート」(鹿児島市)にも取材した。

   経営企画室担当者によると、鹿児島空港内のファミリーマート店舗で、2014年から取り扱っている。「お客さまからはご好評をいただいており、今後も継続して販売する予定」だという。

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