侍ジャパン「渡米直後の準決勝」の苦い思い出 ジンクス吹き飛ばせるか

   WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を無敗で勝ち進んでいる日本代表「侍ジャパン」。1次ラウンドから準々決勝までを東京ドームで戦ってきたが、2023年3月21日の準決勝・メキシコ戦では米マイアミ「ローンデポ・パーク」に舞台を移す。

   振り返れば2013年や前回大会・2017年のWBCでも、日本は2次ラウンドまでは東京ドームで試合し、準決勝から米国入り。しかし両年とも準決勝で敗れ、2大会連続でベスト4に終わっている。

準々決勝まで無敗を貫いている侍ジャパン (写真:CTK Photo/アフロ)
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準決勝から米国入りの「ハンデ」

   WBC2017準決勝では、日本はホーム国の米国に2-1の僅差で敗れた。球場は米ロサンゼルス「ドジャー・スタジアム」だ。米国側は1次ラウンドを米マイアミにある「マーリンズ・パーク」で、2次ラウンドはドジャー・スタジアムから車で3時間程度のサンディエゴ「ペトコ・パーク」で戦っていた。

   WBCの2017年大会当時、同年3月25日付の東洋経済オンライン記事で、スポーツニッポン編集員の永瀬郷太郎氏は、侍ジャパンが決勝進出を逃した理由について分析していた。

   当時はドジャー・スタジアムの天然芝が雨に濡れてしまい、慣れない環境で戦わざるを得なかったことや、2次ラウンドまでの疲労に時差ボケが加わったこと。また日程の都合で、うまくコンディションを調整できなかったことを挙げている。

   侍ジャパンにとって、2次ラウンドまでを日本で開催するのは「もろ刃の剣」であり、「(準決勝から米国入りするのは)環境の変化、ゲーム感覚など大きなハンデを背負う」と永瀬氏は評した。

   17年3月23日付のYahoo!ニュース「THE PAGE」の記事でも、ドジャー・スタジアムの天然芝という環境が、日本にとって課題になったと分析。記事内で、元プロ野球選手の里崎智也氏は「おそらく1次ラウンドから米国で試合をしていれば環境に慣れていたんだと思います」と語った。

   WBC2013の準決勝では、日本はプエルトリコに3対1で敗れている。会場は米サンフランシスコ「AT&Tパーク(当時)」だった。プエルトリコは2次ラウンドから米国本土入りしており、準決勝まではマーリンズ・パークで試合をしていた。

メキシコは準決勝の球場経験済み

   なお日本代表が1次ラウンドを東京ドームで戦い、2次ラウンドから米国入りという形式だった2006年、2009年のWBCでは、どちらも日本が優勝を果たしている。

   今大会の準決勝の相手・メキシコは1次ラウンドを米アリゾナ州にあるチェイス・フィールドで戦い、3月18日の準々決勝(プエルトリコ戦)は、準決勝の舞台でもあるローンデポ・パークで、日本代表よりもひと足早く試合に臨んでいる。

   大スターの大谷翔平選手をはじめ強力な選手がそろい、報道ではたびたび「史上最強」と表現される今回の侍ジャパン。前大会や前々大会の流れをくつがえし、決勝にコマを進められるか。

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