2024年 4月 19日 (金)

「秘密結社」フリーメイソンがベール脱ぐ 情報発信し、フェイスブックで会員集め

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   世界最古の友愛団体「フリーメイソン」が、インターネットを駆使して会員獲得に乗り出しているようだ。

   「秘密結社」「神秘主義」で語られることの多いこの団体が、最近ではSNSの「フェイスブック」まで活用。団体の姿や魅力を、一般の若者へアピールする。

ワシントンやベンジャミン・フランクリンも会員だった

1800年ごろのフリーメイソン入会儀式(Wikimedia Commonsより)
1800年ごろのフリーメイソン入会儀式(Wikimedia Commonsより)

   英国を起源にして世界中に広がるフリーメイソンだが、具体像はあまり知られていない。団体が掲げる道徳的な教えの下、会員は理想の姿を目指して互いに親睦を深めながら活動する、とされている。「教え」といっても特別な内容ではない。宗教団体とは一線を画し、単純な互助会や慈善集団とも異なる。会員を統括する「ロッジ」という組織が各国に存在し、各ロッジが独自に会員を管理、運営している。総本部や、「教祖」のような立場のリーダーもいないようだ。

   具体的な活動に関する情報が少なく、何ともつかみどころがない。そのため、社会や政治の舞台で「陰謀論」の主役としてその名が登場することもある。だが、フリーメイソンは会員同士で宗教的、政治的な目的をもった活動をしないと公言している。

   時には「秘密結社」と表現されるフリーメイソンが、そのベールを脱ぎ始めたと伝えたのは、2011年10月11日付の米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙(電子版)だ。その理由は会員の減少としている。「消滅するか公開するか」の選択に迫られたフリーメイソンは、自ら情報を発信して神秘的な存在からの脱却を目指す道を進んでいるという。

   最も顕著なのが、ネットの活用だ。複数のフリーメイソン組織が独自にウェブサイトを開設しているほか、フェイスブック上にも「フリーメイソン」という英語のページがある。運営者は米国の組織の1つとみられ、設立年や沿革といった基本情報や、米国初代大統領のジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリンも会員だったと書いている。会員数は世界で500万人、そのうち米国は200万人弱で、英国が約48万人となっている。

   ページの運営側による書き込み内容は多様だ。フリーメイソンの教義を端的に説明したり、イスラム教の断食月にはイスラム圏の会員を励ましたりしている。最近では「スティーブ・ジョブス氏のご冥福をお祈りします」と、2011年10月5日に亡くなった米アップル創業者を悼む投稿もあった。

日本のフリーメイソン組織が開設するサイトも

   WSJは記事中、1人の米国人会員を取り上げている。この男性はブログやフェイスブック、写真投稿サイト「フリッカー」を始め、自身が所属するフリーメイソン組織のウェブサイトにビデオエッセイを載せたいと語る。さらに「どんな団体に入会するのか、みなさんは知る必要があります」と続け、情報公開に積極的な姿勢を見せた。記事では、男性が「名誉ウェブマスターになるかもしれない」としている。

   だが、ネットをはじめとした各種メディアをつかった勧誘作戦も、簡単ではないようだ。米国のあるフリーメイソン組織では、宣伝攻勢で数百人の会員獲得に成功、入会の「儀式」参加にまではこぎつけたが、多くは1度きりの参加で組織を去ってしまったという。それでも、年間の退会者数は減少傾向にあり、組織の衰退に歯止めをかけるうえで一定の貢献にはなっているようだ。

   ウェブサイトの中には、日本のフリーメイソン組織が開設しているものもある。団体のプロフィルでは、「秘密結社ではない」とハッキリ書かれていた。また入会希望者の手引きとして、「他人への勧誘行為を禁じている」と明示し、誤解されがちな内容を正している。連絡先や事務所の住所も公開されているが、具体的な活動リポートやイベントについては、情報が更新されていなかった。

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