日本の「お手本」ドイツで太陽光発電大きく後退 家庭用中心に電気料金高騰、供給に対する不安も

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   いち早く「脱原発」に舵を切ったドイツで、太陽光発電が急速に萎んでいる。

   ドイツはCO2削減を目的に2000年に再生可能エネルギー法を施行し、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの「全量固定価格買い取り制度」(FIT)を導入。いわば、日本が「お手本」としている国だ。そのドイツがいま、電気料金の高騰に苦しんでいる。

買い取り価格引下げ、数年後には買い取り中止に

   太陽光発電の先進国ドイツが、電気料金の高騰で電力政策の見直しを余儀なくされた。2000年に導入した再生可能エネルギー法を12年6月末に改定し、太陽光発電の買い取り価格の20~30%の引き下げと、太陽光発電の累計設備容量が5200万キロワットに達した後は太陽光発電の買い取りを中止することを決めた。

   ドイツの太陽光発電はすでに設備容量が累計で2700万キロワットに到達しており、2016年にも5200万キロワットに達するとみられている。

   これまでは全量を20年間、固定した価格で買い取ってきた。太陽光発電の設備投資には補助金も出され、それを追い風に太陽光発電の設備容量は2005年以降、世界第1位だ。

   ところが、発電電力量に占める割合は電力全体の3.3%に過ぎない。さらには電気料金が高騰し、国民負担が大きくなってきた。

   ドイツではFITを導入した2000年以降、電気料金は上昇傾向にあり、家庭用は2000年時点に比べて1.8倍以上も上昇した。

   ドイツの電力事情に詳しいNPO法人国際環境経済研究所の竹内純子・主席研究員は、「ドイツのFITでは、大規模需要家は国際競争の観点から費用負担が大きく減免されているのですが、それ以外は電力消費量に応じた負担ですのでやはり不満が大きく、実際に繊維業界が先日、再生可能エネルギー法が憲法違反であるとして訴訟を起こしました。さらに脱原発に伴い、電気料金が上昇すること、また供給に対する不安が出ています。ある大手銅メーカーは10分の1の停電でも生産ラインが停止してしまうとし、停電の少ないドイツに生産拠点を置くメリットが失われつつあることに懸念を表明しています」と説明する。

   また、供給が不安定な太陽光発電をバックアップする発電所として火力発電所を維持する、「二重の設備投資」を強いられ、そのコストも電気料金にのしかかる。さらにドイツでは石炭や褐炭が採掘でき、安く手に入ることもあって、石炭・褐炭による発電所がいま続々と建設されていて、その費用も上乗せされる。

   石油や石炭・褐炭への依存度が上がれば、CO2排出量も上がるのだから、何のために再生可能エネルギー法を施行し、FITを導入したのかもわからなくなっている。

産業育成にも結びつかず、補助金もバラマキに終わる

   まだある。ドイツの太陽光発電メーカーは、中国メーカーによるダンピング競争に巻き込まれ、一時は世界のトップメーカーだったQセルズまでも破たん。産業育成にも結びつかず、補助金もバラマキに終わった。

   なぜ、ドイツの太陽光発電はこれほどまでに後退しているのだろう――。前出の竹内氏は「ドイツでは太陽光発電の稼働率が10%程度であることなどはわかっていたはずですが、再生可能エネルギーの導入による負担上昇や、産業政策上では中国との価格競争について見誤ったといえます。また、太陽光発電事業者の政治的ロビーイングが激しかったことは大きく影響しているでしょう」とみている。

   竹内氏は、「ただ、こうした状況はいまの日本にそのまま当てはまります」とも指摘する。

   ちなみに、政府の試算では2030年の「原発ゼロ」を目標にすると、家庭の電気料金を含む光熱費が月額で最大3万2243円となり、2010年実績(1万6900円)の約2倍に上昇するという。

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