2024年 4月 17日 (水)

小野寺防衛相「照射の証拠映像、写真ある」 中国の「日本の捏造説」を一蹴

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   「日本の言い分はまったくの捏造」――中国海軍艦船による海上自衛隊護衛艦などへの「レーダー照射」問題をめぐり、2013年2月8日ようやく発表された中国の公式見解は、日本側の主張を完全に否定する内容だった。

   中国はなぜこのような無理な主張をせざるを得なかったのか。

中国紙「日本よ、盗人猛々しい!」

   この問題は、東シナ海で海上自衛隊のヘリコプターおよび護衛艦が、1月19日・30日の2度にわたり、中国艦船からの火器管制用レーダーの照射を受けたとされるものだ。火器管制用レーダーの照射はいわば銃を相手に向けて構えたに等しい状態であり、政府は5日、事実を公表するとともに中国政府に厳重抗議している。

   中国側は当初、外務省の報道官が「報道で初めて知った」「主管する部門に聞いてください」と話すなど、あいまいな態度に終始していた。しかし8日、外務省と国防省がそろって声明を発表し、問題があった両日に照射されていたのは通常の艦載レーダーであり、日本の主張は「でっち上げ」「中国の顔に泥を塗るもの」「小細工」などとまくし立てた。

   中国メディアも、これに同調する。中国共産党の機関紙「人民日報」の系列紙であり、対日強硬派で知られる「環球時報」は6日、「賊喊捉賊」なる四字熟語を持ち出して日本を批判した。この言葉は「自分が泥棒だとばれないために、泥棒が他人を泥棒呼ばわりする」という、日本語の「盗人猛々しい」をさらに強めたような意味がある。記事は、「泥棒」日本による中国海軍への侮辱・挑発は、まったくの茶番だと主張する。

   また別の記事では、日中戦争の火花を切った満州事変・盧溝橋事件を持ち出し、「日本は昔から口実を作るのがうまい」と皮肉り、今回の件も「被害者を気取る」ことで国際世論を味方につけるための策略だと論じている。

通常のレーダーと、火器管制用とでは動き方が全然違う

   こうした「自作自演」説に安倍晋三首相は8日夜、テレビ番組「プライムニュース」(BSフジ)で中国側に謝罪を求める考えを示した。小野寺防衛相も9日朝、「みのもんたのサタデーずばッと」(TBS系)に出演し、中国側が主張するような通常のレーダーと、火器管制用のレーダーとでは装置の動き方が「全然違う」ことを指摘し、

「これは私ども、しっかり映像・写真で撮ってあります」

と、捏造はありえないことを強調した。

   さらに別の番組で、証拠となる写真や映像の公表を検討していることを明らかにした。

   なぜ中国側はこうした苦しい言い訳に出たのか。1つの理由として推測されているのが、反日的世論の強い国内への配慮だ。

   一見「強硬」に見える中国側の態度だが、8日の会見でも外務省報道官は「対話による解決という正しい道に戻れ」と述べており、前述の環球時報も8日、とげとげしい論調ながら「日中全面戦争はありえない」との社説を掲載した。

   ただ、こうした中国の姿勢に日本側も不信感を強めていて、「雪解け」には時間がかかりそうだ。

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