リチウムイオン電池は大丈夫なのか? GSユアサ製でトラブル相次ぐ

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   米ボーイングの最新鋭機「787」や、三菱自動車のプラグインハイブリッド「アウトランダーPHEV」や電気自動車(EV)の「アイ・ミーブ」と、ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)製のリチウムイオン電池をめぐるトラブルが相次いだ。いずれも過熱して発火したり、モジュールの一部を溶かしたりした。

   GSユアサ製のリチウムイオン電池は、産業用として量産できるようになったことで、車載用のみならず、いまや米ボーイングの「787」や、JR貨物のハイブリッド機関車や近畿車輛の自己充電バッテリー電車「Smart BEST」に採用されるなど、利用が広がっている。

今回のトラブルは三菱自動車だけ

リチウムイオン電池のトラブルが相次いでいる(写真は、「GSユアサ」のホームページ)
リチウムイオン電池のトラブルが相次いでいる(写真は、「GSユアサ」のホームページ)

   リチウムイオン電池は、軽量、小型で大容量というメリットがある。半面、エネルギー密度が高いため、電圧のかけ過ぎや過充電で過熱して発火、破裂、液漏れを起こしたりするデメリットがある。

   そのため、リチウムイオン電池そのものも安全に充放電できるように設計されているが、周辺回路にもさまざまな安全対策を施している。

   それにもかかわらず、これまでもノートパソコンや携帯電話に使用されている「電池パック」が発火するなどの事故に見舞われ、大規模な回収につながったケースもあった。

   トヨタ自動車がハイブリッドカー(HV)の「プリウス」に、ニッケル水素電池を採用したのも事故時の発火を恐れてのこと、とされる(「PHVプリウス」はリチウムイオン電池を採用)。価格でも、ニッケル水素電池より、リチウムイオン電池のほうが高いこともある。

   そうした中で、とくに車載用リチウムイオン電池は、エコカーの普及とともに利用が拡大している。

   今回、不具合を起こした三菱自動車の「アウトランダーPHEV」や「アイ・ミーブ」が搭載していたリチウムイオン電池は、GSユアサが主体(出資比率51%)となり、三菱商事(44.6%)と三菱自動車(4.4%)が出資する「リチウムエナジージャパン」が製造している。

   GSユアサでは「車載用でもHVやEV、PHVと用途によって製造手順が違いますし、各メーカーが求めるスペックも違います」と説明。リチウムエナジージャパン製の電池を採用しているのは、現在は三菱自動車だけという。

   GSユアサにはもう1社、高性能リチウムイオン電池を製造・販売する「ブルーエナジー」があり、こちらも同社(51%)が主体となり、ホンダ(49%)が出資していて、ホンダ車向けに電池を提供している。

   両社とも将来的には他社への製品提供を進めるが、「何にでも使える、本当の意味での量産品が提供できるのは10年後くらい」とも話している。

信用に「傷」、懸念される業績への影響

   とはいえ、一連のトラブルはGSユアサがこれまで培ってきた電池技術に対する信用を傷つけ、リチウムイオン電池事業の業績悪化につながりかねない。

   同社が2013年3月5日に発表した12年4~12月期連結決算によると、売上高は前年同期比5%減の1958億円、純利益は同4%減の55億円だった。三菱自動車向けリチウムイオン電池の伸び悩みなどが要因とされ、車載用リチウムイオン電池事業は14年3月期に営業損益が黒字転換する計画だったが、「黒字化は1~2年ずれ込む」との見通しとしていた。

   ボーイング787の発火トラブルでは米当局による原因究明が続いているが、787は運航停止を余儀なくされている。売上高に占める航空機向けのウエートはわずかだが、車載用リチウムイオン電池は成長分野だけに三菱自動車のトラブル解決が長引くと黒字化がさらにずれ込むことになる。

   GSユアサは、「ボーイング787も、三菱自動車についても、まずは原因究明が優先です。(信用問題などについて)現在コメントするタイミングにはありません」と話している。

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