2024年 4月 26日 (金)

スカイマーク再建、いまだ視界不良 「政権交代」の遺恨で大揺れ

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   経営不振に陥っている国内航空3位のスカイマーク再建をめぐり、政官民入り乱れて、分かりにくい議論が戦わされている。再建には同業他社との共同運航を柱とした業務提携が不可欠だが、相手が日本航空か全日本空輸かで大もめにもめているのだ。

   背景には自民→民主→自民の政権交代に絡む「怨恨」もあるとされ、決着はなお予断を許さない。

自力再建は困難として提携を検討

どうなるスカイマーク(画像はイメージ)
どうなるスカイマーク(画像はイメージ)

   スカイマークは、格安航空会社(LCC)との競争激化や円安による燃料費高騰などで経営が悪化。2015年3月期は136億円の最終赤字に転落する見通し。業績悪化に伴い、エアバスの超大型機「A380」の購入延期に関して、約7億ドルの違約金支払い(損害賠償)を求められる可能性もあり、自力再建は困難として、提携を検討している。

   提携は、スカイマークの羽田と札幌、福岡などを結ぶ5路線36便を「共同運航」にすることが柱。座席の2割程度を他社に予め買い上げてもらい、売ってもらうことにより、スカイマークは搭乗率をアップさせられる。

   スカイマークは当初、日航との提携を打ち出したが、11月下旬にこれが表沙汰になると、国土交通省が日航の単独支援に難色を示した。このため、スカイマークは全日空との提携を申し入れる方針を表明するという展開になっている。

   このように迷走するのは、羽田発着便が、航空会社にとって、のどから手が出る宝の山だから。1便当たりの売り上げが年間20億~30億円にも上るドル箱で、限られた枠を奪い合っているのが現状で、スカイマークの36便の行方が日航と全日空の力関係に大きく影響するのだ。

   具体的に見てみよう。現在の便数は日航184.5便、全日空173.5便(出発、到着のみは0.5便)。日航に、共同運航によってスカイマーク便が加われば220.5便に膨らみ、全日空との差をさらに広げることになる。ただ、全日空は、資本関係を結んで共同運航しているエア・ドゥ、スカイネットアジア、スターフライヤーを加えた「全日空陣営」全体でみると244.5便に達し、羽田発着枠の5割以上をすでに押さえているともいえる。

   純粋の経済活動としてみれば、両者いい勝負で、従来であれば国際線なども含めて取ったり取られたりの駆け引きになるところだが、今回は、自民党サイドから日航との提携への強い拒否反応が出ているのが特徴だ。というのも、日航は民主党政権時代に公的支援を受けて再建した経緯があるからだ。

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