2024年 4月 25日 (木)

トヨタめぐる「三角関係」 スズキとダイハツ、「共存」の行方

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   トヨタ自動車とスズキが業務提携に向けた検討を開始したと2016年10月12日に発表し、自動車業界に波紋を広げている。両社は情報技術(IT)や環境、安全技術などの分野で協業するというが、肝心の資本提携には踏み込まなかった。

   トヨタはスズキのライバルであるダイハツ工業を完全子会社にしているからだ。ではトヨタがスズキと業務提携するメリットは何か。自動車業界では「小型の世界戦略車の開発ではダイハツよりスズキに一日の長がある。トヨタはダイハツよりもスズキの小型車開発の技術が欲しいのではないか」とささやかれている。

  • トヨタの豊田章男社長(写真は2010年2月撮影)
    トヨタの豊田章男社長(写真は2010年2月撮影)
  • トヨタの豊田章男社長(写真は2010年2月撮影)

自動車業界のサプライズ

   今回の提携交渉は自動車業界ではサプライズだった。トヨタとダイハツは10月4日、「今後の新興国小型車事業の強化に向け、両社の役割分担を決定した」と発表したばかり。2017年1月をめどに新興国小型車担当のカンパニーを設置し、「競争が激化する新興国市場でダイハツの良品廉価なモノづくりをベースとした競争力のある商品を展開する」と説明していたからだ。

   具体的には「新興国向けの小型車の開発・調達・生産準備をダイハツに一本化し、トヨタがサポート。商品企画や事業企画はトヨタとダイハツが一体となって策定・共有し、生産は両社の既存拠点を有効活用していく」と表明。トヨタは小型車開発でダイハツを活用する戦略を対外的に明らかにしたばかりだった。

   常識的に考えれば、軽自動車はもちろん、小型車開発でトヨタはダイハツを活用すれば、スズキなしでもやっていけるはずだ。事実、トヨタはダイハツが軽の技術を活用して開発・生産した小型車ブーンをトヨタパッソとして販売している。

   しかし、軽では国内市場でスズキとトップ争いをするダイハツだが、小型車では国内外ともヒット商品がなく、苦戦が続いている。スズキがインド市場を席巻し、ハンガリーに開発拠点を置いて国際戦略車スイフトやスプラッシュを開発し、世界市場で一定の成果を収めているのとは対照的だ。

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