2024年 4月 26日 (金)

中国が再び「内需拡大」を強調するワケ 金融・財政の緩和に動く兆候

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   中国で「内需拡大の持続」が共産党中央政治局会議で初めて言及されたのは2014年のことだったが、最近、この言葉をいっそう強調するようになった。2018年4月23日に開かれた中央政治局会議の公報では「構造調整の加速と内需拡大の持続を堅持する」と強調し、市場の広い注目を集め、「中国の経済政策に何らかの転向が起こるかもしれない」という見方もある。

  • 中国の経済政策に動き?
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輸出の2割近くを占める米国市場

   2017年の中国経済がリバウンドしたのは、主に輸出の回復が味方したことだが、輸出回復を直接牽引した要素は、米国をはじめとした世界経済の回復である。

   2015年下半期から米国の製造業は回復し、中国の対米輸出にも2016年の第1四半期からの回復をもたらした。2017年の輸出回復の三大製品は、一つ目は、コンピュータ及びそのパーツ。二つ目は、主にスマートフォン。三つ目が、集積回路だ。こうした中国が輸出するハイエンド製品は、今回の中米貿易戦争での米国による攻撃の対象だ。米国は中国にとって最大の輸出市場であり、中国の対米輸出は中国の総輸出の19%を占める。これが、中国の将来の輸出にとって不利な要素であることは疑う余地がない。

   中米貿易戦争に加え、世界経済の回復がピークに達したことで、中国の外需は明らかな圧力を受けるかもしれない。世界銀行及びOECD(国際経済協力機構)の予測データによると、2018年の世界貿易実質成長率と輸出入成長率は下降の傾向が出ている。年全体を展望すると、2018年の中国外需が減少に転じる確率は明らかに高くなっている。

   2017年の中国GDP成長は6.9%で、純輸出が0.6ポイント、プラスに寄与した。これは過去5年間で最高である。一方、内需の牽引による経済成長は2017年が6.3%であり、1997年以来最低である。2017年の純輸出が比較的高い実績値だったことを考慮すると、2018年純輸出のGDP成長に対するプラス寄与は楽観できない。

   これが、おそらく、中国政府がふたたび「内需の拡大」を提起する直接の要因だろう。

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