尊敬していたら、宮崎駿と仕事できなかった(鈴木敏夫『仕事道楽』)数年前のある日、宮さん〔宮崎駿氏〕がとんできた。あの人は何か思いつくと、一人でしまっておけない性格でしてね、ともかく話してしまいたいんです。それもその当事者に。
「鈴木さん、分かったよ!」 こういうことを言うときの彼は、ほんとうにいい顔するんですよ。「尊敬していたら、いっしょに仕事できない」というのはぼくもまったく同感でした。遠慮会釈なく、存分に言いあうことで仕事しているんですから、「尊敬」という言葉は入り込む余地がない。「尊敬」すると「遠慮」が生じますからね。 ただ、重要なのは、言いたいことを言って、それがそのまま受けとられること。不信感をもってきかれると、違って伝わってしまう。そのまま受けとめてもらうための信頼関係は必要です。つまり、信頼はするが尊敬はしないという関係。 (鈴木敏夫『仕事道楽―スタジオジブリの現場』〔岩波新書、97~98頁〕より)
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