レジの金を盗んでいた「店長」 どう処分すればいい?

2009/12/ 7 10:43

   お金を扱う仕事において「金額が合わない」というのは、ときどき起こることだ。理由はミスの場合もあるし、不正行為が行われている場合もある。ある会社では、店長がレジの金を横領していたことが発覚し、どの程度の処分にすべきか頭を悩ませている。

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事情を知らない他の店舗に配置転換してよいものか

――小売業の経営者です。都内に店舗をいくつか構えており、それぞれ店長に運営を任せています。ここ数か月、ある店舗の売上が下がっており、調べてみるとレジの金額が合わない日がたびたび出ていたことが分かりました。
   その店舗は店長とスタッフ3人で運営しています。彼らを疑いたくないと思いながら、期末の個別面談を兼ねて、何か知っていることはないかと聞き取りをしたところ、信じられない話が出てきました。店長以外のスタッフから、
「レジのお金が足りなくなるのは、店長が店に来た日が多い気がする」
「店長は最近、お金に困っているようだ」
という証言が次々と出てきたのです。
   そこで、店長を呼び出してそれとなく水を向けると、レジからお金を抜いたことをあっさり認めました。どうやら仕事のストレスから、ブランド品の買い物をしすぎてしまい、クレジットカードの返済に困って、魔がさして盗んでしまったということです。
   スタッフは以前から薄々気づいていたようですが、通報すると仕事がしにくくなるため、見てみぬ振りをしていたようです。このこともあってモチベーションが下がり、店の雰囲気も悪くなって、売上にも影響が出たのだと思われます。
   この店長は創業時からのメンバーで、とても信頼していたのに残念でなりません。店長のボーナスは店の業績に連動しているので、最近の借金返済はより苦しくなり、抜いた金額もだんだん大きくなっていったようです。
   当然、解雇も考えましたが、今後横領したお金を返済してもらう約束もしたので、事情を知られていない他の店舗に配置転換して働いてもらおうと考えています。ただ、本当にこれでよいのか、漠然とした不安も残っているのですが――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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