『“35歳”を救え』(阪急コミュニケーションズ刊)という本が話題を呼んでいる。20年後に日本を背負う団塊ジュニアが、いかに厳しい状況に置かれており、将来に不安を抱えているか、という内容が中心だ。掲載されたインタビューを読むと、彼らが苦しんでいるのは、「かつて思い描いた姿」と「現在の姿」とのギャップのせいに見える。
本書は2009年5月に「NHKスペシャル」で放送された内容に、20年後のシミュレーションや解決策の提言、1万人を対象にしたアンケートなどを追加したもの。アンケートによると、35歳正社員の69%が「収入はもう伸びない」、42%が「自分の会社が倒産するかもしれない」と感じ、30%が「解雇されるかもしれない」と不安を感じているという。
そして、不安定な雇用や所得の伸び悩み、少子化などの「35歳問題」を放置すれば、シミュレーションによると、20年後の日本は「ゼロ成長」のまま、「消費税18%」「医療費の自己負担2倍」「失業率10%超」「年金30%カット」という世の中がやってくるという。
また本書には、過酷な状況に苦しむ「35歳世代」へのインタビューも掲載されている。新卒で入社した会社で厳しいノルマに追われ、体調を崩して退職し、次の会社は倒産し、その次の工場も閉鎖して配置転換になった上に、年収が大幅に下がった人。転職を繰り返して収入が下がってしまい、結婚したくてもできないという人など。
彼らは、団塊世代の父親のように、子どもにやりたいことをさせられそうもなく、妻には専業主婦の母のように楽な生活をさせられず、外に働きに出てもらわなければならない情けなさを語っている。結婚して子どもがいて「普通の生活」を送っているという「若い頃に思い描いていた35歳」と、今の生活が大きくかけ離れているということだろう。
(続く)
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