トヨタのリコール問題が日に日に大きくなっている。モノ作りの代名詞にして、日本型雇用の優等生だったトヨタに、いったい何が起こっているのか!
・・・なんて不思議に思っている人も多いと思うが、トヨタというのはもともと過大評価されがちな会社だった。近年の好業績にしても、たまたま円安バブルの波にのって北米市場を中心に荒稼ぎできていただけの話で、ビジネスモデル的には特に見るべきものはない。ご自慢のモノ作りなんてほとんどおとぎ話で、以前から品質問題を指摘する声は根強かった。
たとえば、この問題を正面切って取り上げた『トヨタの闇』(ビジネス社)では、国交省のリコールデータを独自に入手、集計した結果、01~05年の国内リコール件数が529万件に上る事実を明らかにしている。販売台数No.1とはいえ、2位の三菱自動車に200万台以上の差をつける堂々たる“リコール王”である。
「品質のトヨタ」なんて大嘘八百、「年間出荷台数よりリコール台数の方が恒常的に多い」というほとんどギャグみたいな会社である。「レクサスで打倒ベンツ」なんて言ってたけど、現実には“HONGDA”とか作ってる中国企業とどっこいどっこいだったわけだ。
では、なぜこの問題企業がこれまでバッシングされずに、のうのうと生きてこられたのか。それは年間一千億円を超える広告費だ。これを引き揚げるといわれれば、出版不況の中、普通のメディアは批判にちゅうちょせざるを得ない。僕自身、これまで多くの紙媒体と仕事をしてきたが、もっとも注意を要する地雷がトヨタだった。「トヨタだけは書かないでほしい」と言われたことは、一度や二度ではない。
政府に移民受け入れを要求していた奥田会長(当時)の「女性や高齢者、フリーターを雇えなんてバカな話だ」(『日経ビジネス』06年7月24日号)という発言なんて、「平家にあらずんば人にあらず」クラスの超問題発言だと思うのだが、読売から朝日まで、どのメディアも完全スルー。見事なリスクコントロールと言うしかない。ま、僕はあちこちで言ってますけど(笑)。
(続く)
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