「残業」がなくて「有給」使えて「終身雇用」な会社は

2010/3/16 13:25

   前々回の記事の影響からだろうか。「基本的に残業がなくて有給も消化できて、しかも終身雇用の会社を教えてください」という質問を貰った。常識で考えてあるわけないだろそんな会社、というかあったって君なんて採らないから余計な心配するなとは思ったが、面白いのでちょっと検討するだけしてみたい。

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条件を備えた職場がひとつだけ存在する

   まず、雇用調整の必要がないことが大前提となる。つまり、常に需要が供給を上回っている必要があるわけで、鉄道や電気といったインフラ系が代表だろう。昔の国鉄の職員なんて、時間尋ねるのにこっちが敬語使ってしまうくらいのオーラを漂わせていたものだ。ただし、少子化と資源価格上昇で、インフラ系といえど必ずしもこの条件を満たせるとは言えなくなってきている。

   続いて重要なのが、新規参入が少ないということだ。プレイヤーが増えてしまうと価格競争が起こるから、雇用や人件費を調整しなければならなくなる。というわけで、お上に保護してもらえる規制産業が有望となる。つい最近までテレビ局が代表だったが、Webという規制外からの侵略を受けてこちらも青息吐息だ。

   そして、輸入品がやってこないことも重要だ。新規参入はロビー活動で潰せるが、人件費10分の1のような国からある日突然競合製品が輸入されるとどうしようもない。WTOに加盟している以上、あまりお上には期待できないし。というわけで、新興国とかぶらない製品か、アウトソースできないサービス業が望ましい。

   では、これらの条件を満たしている会社があるだろうか。一見すると難しいが、実はひとつだけ存在する。それは公務員だ。公務員といってもキャリア官僚や地方上級は結構大変なので、その他のノンキャリということになる。

(続く)

城繁幸(じょう・しげゆき)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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