心の性別と、身体の性別が一致せずに苦しむ「性同一性障害」。最近は性転換手術をしたタレントがテレビに出たりして認知度が高まっているが、実際に身近な存在となったときに温かく受け入れることができるだろうか。
ある会社では、若手社員が「性同一性障害」であると告白する決心をして、人事担当が対応に戸惑っているという。
――システム開発会社の人事です。開発部の男性A君が「女子トイレを使いたい」と申し出てきて、どうしたものかと戸惑っています。
A君は20代半ばのイケメンで、仕事は真面目にやるし、SEの中では人との関わり方もうまいので、周囲から信頼されていました。
ところが、あることがきっかけでA君は、
「実は性同一性障害であり、自分のことを女性だと思っている」
と職場でカミングアウトすることを決めたのだそうです。
先月の休みの日に営業部のBさんが出勤したところ、見慣れない女性がオフィスにいたので声をかけたら、実はA君でした。
A君は誰もいないと思って、ちょっと忘れ物を取りに来たのですが、プライベートでは化粧をしたりカツラをつけたりして女性のファッションをしていることが、これで判明してしまいました。
そこで人事に来て、
「Bさんに知られてしまった以上、自分を偽って過ごすことはできなくなった。今まで我慢して隠してきたけど、これからはオープンにしていきたい。服装も女性らしいものに変えたいし、女子トイレも使わせてもらいたい。将来的には手術して戸籍上の性別も変えるつもりだ」
と言うわけです。
私自身は男性ですが、差別的な感覚を持っていないつもりです。しかし、他の人はどうかと考えると、ひと騒動起こらないとは限らないと思います。もしA君の希望を通すとしたら、どうやって進めていったらいいのでしょうか――
(続く)
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