「よくぞ言った」「ありえない」 曽野綾子「出産退職のススメ」議論ますますヒートアップ

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   J-CAST会社ウォッチの2013年9月5日付「『出産したらお辞めなさい』 曽野綾子寄稿でネットも大激論」と題した記事は、掲載から1週間余りでコメントが300件にのぼり、読者の関心の高さを示している。

   女性は出産したらいったん退職すべき、パワハラやマタハラを騒ぎ立てるのは幼稚――という大胆な内容に、「よくぞ言ってくれた」と大喝采する人もいれば、逆に「事情を何も分かっていない暴論」と猛反発する人もいて議論は尽きない。

賛成票が多数。「未婚女性へのしわ寄せ迷惑」

「何でみんな分かってくれないんだろ」と思い悩む当事者の意見も
「何でみんな分かってくれないんだろ」と思い悩む当事者の意見も

   曽野さんの主張に賛成か反対をたずねた「ワンクリック投票」は、9月13日午前11時半現在で2万3583票。「賛成」43.8%、「反対」30.5%で賛成派が上回っている。

   「人による」が24.7%にのぼっているのも興味深い。基本的には迷惑だが、例外的にどうしても残って欲しい人や帰ってきて欲しい人がいるということだろう。逆に権利は原則認めるものの、ホンネではもう辞めてもらいたいケースもあるということか。

   コメント欄には年齢や性別、立場の違うとみられるさまざまな読者から意見が寄せられた。単純に賛成派と反対派に分かれての論争、という図式ではなく、共働きせざるを得ない現状で、いかに問題を解決するかというスタンスから語る人も少なくなかった。

   曽野さんの賛同者は、「産休を取られると、それをカバーする周りが大変」という。繁忙期に同僚が産休を取得することになり、「小さな会社なので、1人いないのは大きい」という悩みだ。

「あまりにも休まれたり、時短されるなら、戦力として数えられない」
「産休育休とってやめよーっていってる女友達見てると、休まれる方の身にもなれよ…と思う」

と突き放す意見に加えて、女性の立場から「独身の頃、産休明けの先輩が子どもを理由にしょっちゅう休んだり異動を免れたりしてしわ寄せが未婚女性に来るのが本当に迷惑だと思ってた」と正直に吐露する人もいた。

   「産休は権利だ」と声高に叫んでばかりの姿勢には反感を持つ向きがある。「『私は妊婦ですから』って大きな顔して体調不良を理由に早退遅刻はあたりまえ…みたいな人もいるよね」という指摘だ。

   周囲の助けを得る部分が大きいはずなのに、知らんぷりして「休んで何が悪い」という顔をしていれば反発を買うだろう。ただ、これは誰にでも当てはまるわけではない。

原因は「旦那の収入では家計が苦しい」の声

   別の角度から「出産したら退職」に賛成する人もいる。「私は子供の頃鍵っ子で、毎日淋しかった」。つまり子どものために母親は家にいてあげるべきとの考えだ。

   一方、反対派の意見で目立つのは「夫の収入だけでは生活が厳しいから、出産後も仕事を続けざるを得ない」という主張だ。

「退職して子育てに専念したいです。でも旦那の収入では家計が苦しいから育児も仕事もするんです」
「保育園に預けず、出来る限り自分の手で育てたいという理想は多くの女性が持っているだろう」

   子育ては、いまだに母親のみの負担が大きい現実を指摘する声もある。実際に男性の育休取得率は極めて低い。

   「職場で白い目で見られても、子どもが熱を出して周りに迷惑をかけても、旦那が迎えにいけない、頼る人がいないなら行かなくちゃいけない」「子供に熱が出たら迎えに行ける方が行くか、お迎えの当番の方が行けばいい。まだ男性社会だから、母親ばかりに負担が行きがちになる」との嘆きが聞こえる。

   産休・育休を介護に置き換えても、曽野さんは同じことが言えるのかという疑問も出た。成長すれば手がかからなくなる子どもと違って、高齢者の介護は「一生もの」。「そんな社員の復帰なんて待っていられないし、時短勤務も迷惑だから退職してください、って言うつもり?」と問う。

   産休を取得し、会社側から支援を受けたシングルマザーは、「決して甘えてるとは自分では思っていないのですが、周りにはきっとそう見られているかも…と思うと仕事するのが怖い」と苦しい心情を打ち明ける。

課題は「休みやすく」「再就職しやすい」環境づくりか

   両論を踏まえての落ち着き先は、「やっぱりお互い様だと思う」「ゆずりあう心がなければ、ムリ」というところか。休暇を取る側は、

「大変な迷惑を掛けたことは百も承知です。復帰後は育児をしながら必死で働きその後昇進し業績に貢献しているつもりです」

と自分のケースを説明。一方、周囲の立場からは「権利の主張だけでは駄目。周囲の理解が得られるよう工夫と努力も必要だと思います」とアドバイスする。

   曽野さんが主張する「子育てが終わってから再就職」には理解を示す人が少なくなかった。現状では、一度退職して時間が経過すると新たに就職先を探すのは難しい。だからこそ「再就職がし易い環境になればこの問題は片付くと思う」という意見は傾聴に値する。

   労働人口は将来に向けて減っていき、少子化も深刻だ。男女ともに労働力であり続けるしかない。かつ未来をになう子どもを増やすのも重要だ。そのためには古い制度、現状を打破する方策が必要だという結論に行きつくのは当然かもしれない。

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