松竹梅「松」クラス人材の悲劇 日本企業では「ワリに合わない」理由

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   日本企業や在日本の外資着企業の「グローバル人事戦略」案件を数多く手がける人事コンサルタント、神山雄介氏(仮名)は、一口に「グローバル人材」と言っても、その仕事の中身や難易度は多様だと言う。

「私は、グローバル人材を『松・竹・梅』の3つで区切って考えています。松は、グローバル企業の幹部候補、竹は商社マンのような国際ビジネスの営業マン、梅はCAやホテルマンのような日常英語が喋れるサービス業、『グローバル人材』を目指している人は、自分は一体そのどれを狙っているのか、を考えたほうがいい」

「松」はグローバル企業の中でも上位3~4%

人材にも松竹梅が…
人材にも松竹梅が…

   ちなみに、神山氏は、「松」はグローバル企業の中でも上位3~4%しかいないと言う。

「欧米企業の場合、こうした『松人材』は、『カードル』とか『エグゼンプト』『エクスパッド』などと呼ばれ、アメリカなら名門アイビーリーグ、フランスならグランゼゴール出身者など超高学歴出身者で占められ、採用も通常の人材とは別格扱いです」

   筆者は、従業員20万人強の世界的食品会社にかつて勤務していた人を知っているが、そんな超巨大会社でさえ、神山氏が言う所の「松人材」の相当する幹部層は1000人弱。つまりは、200分の1。

   それほど層が薄い上澄み人材が、ひたすら全世界の幹部ポストをグルグルと回って現場を仕切っていると言う話だ。

「要は、日本の官公庁における『キャリア官僚』のような扱いで、『松人材』以外が幹部層に行くことは、非常に例外的です」(神山氏)

   ところが、日本企業の場合、「新卒一括採用」という、大卒者なら東大出だろうがFランク大学出身だろうがタテマエ的には差別しない、ある意味平等な採用システムがある。

「だから、新卒で採用されたら、誰もがよーいドンで一応は上を目指す。でも、実際は日本企業でも、個々人をどう処遇するか、松竹梅で区分けしているのです」(同)

   だからこそ、神山氏は「グローバル人材を目指すと言っている人が、仮に『松』のグローバル人材を目指しているのだとしたら、よっぽどの高スペック人材でない限り、当たる確率は宝くじなみに低いといわざるを得ない」のだと言う。

「万が一、日本の会社で、そんな『松人材』になったところで、とてもじゃないけどワリに合わないと思いますよ」(同)

   なぜか? それは、欧米企業の「松人材」と日本企業のそれとの、給料、待遇のあまりに大きすぎる差だ。

   その差とは? (佐藤留美)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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