2024年 4月 19日 (金)

MBAで学んだ人生哲学 「変化」を恐れず「進化」促すリーダーシップとは

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   無事にミシガン大学MBAを修了しました。この連載も今回が最終回。まさか半年間、計30回も続くとは!読者の皆さんに御礼申し上げます。オンライン・オフラインで新たなつながりができ、情報は発信する人のところに集まることを実感しました。ミシガン大学MBAは正式には「Ross School of Business」と言うのですが、その名を冠している不動産王Stephen Ross氏は「You get by giving」と語っていて、まさにその通り。

   私の父方の祖父は英語の教師で、母方の祖父は世界を旅する貨物船の船長でした。一方、私は耳鼻科系が弱く飛行機に乗ると耳が痛くて使い物にならないという有様。海外で仕事をしたり勉強をしたりなんて想像もできない学生時代を送っていました。受験勉強としての英語は学んだけれど、使う機会もほとんどなく…。入社して3年目に関わり始めた、あるグローバルプロジェクトで全てが変わりました。海外での仕事が増え、世界中を出張しているうちに耳も強くなり、とうとうMBAにキャリアを棚卸ししに来てしまった。思えばずいぶん遠くまで来たものです。

   会計やファイナンス、そして経営戦略から組織論まで色々な学びがありました。私のような純国産人材にとっては英語コミュニケーション力の向上も大きかった。しかし、一番大きな学びは、これからのキャリアにも役立つであろう3つの「考え方」であったと感じます。

「学び、進化すること」を恐れるな 「変化」なきところに「進化」はない

卒業しました!同級生数百人のサインが入った「マイ・ピッチャー」とともに。
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   ひとつめは「学びの大切さ」です。特定の組織に長くいると考え方が固まってしまいがち。私は30代半ばにして留学し「自分なりの信念を持ちながらも他者、外部から学びを得て進化すること」の重要性を学びました。

   自分のやり方に固執しすぎて伸び悩み、「時代遅れの使えない人材」になってしまう例を見てきました。どんなに能力が高くても、外から吸収できない人と組織は弱いと感じます。「これだけ利益を出した」と結果だけを見たり、「文化が違う」と否定したりするだけでなく、「何を学んだのか、それをどう今後に活かすのか」を考える。「現在の生ぬるい環境が快適だから動かない」では、そのまま茹でガエルになるか、次の世代が辛い目に会うかのどちらかでしょう。自分のやり方を「深化」させていくと同時に「変化」を求めることが本当の「進化」に結びつくのではないでしょうか。

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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