2024年 3月 19日 (火)

ストレス・パラドクス意識せよ 部下の相談を傾聴できる上司は

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   すでにお正月のことなど遠い彼方。読者の皆様は、それぞれの職場で、全力をあげて課題に取り組んでおられることでしょう。

   「ストレスチェック義務化」も2年目に入ります。2017年のメンタルヘルスの課題としては、上司の「傾聴」と「ストレスの知識を持つこと」に重点を置きたいと考えております。

短絡的に考えてはいけない

高いストレスを抱えていそうな部下を見かけても、即座に「問題」と判断してはいけない
高いストレスを抱えていそうな部下を見かけても、即座に「問題」と判断してはいけない

   年が改まろうと、職場におけるストレスの重要課題の一つが「人間関係ストレス」であることに変わりありません。その対策として、上司に対する「部下の話を傾聴する研修」が各社で行われています。

   話をしっかりと聴いてくれる上司は、部下の気づきを高め、自分で問題解決をするよう促し、それを成長につなげ、メンタルヘルスの状態を向上させます。学術研究でも「話せる上司のいる職場は明るい」ことが知られています。

   最近の研究では「高いストレスを示す集団や個人」は、確かにリスクもありますが、意欲が高く、幸福感が強い人が多いという傾向が示されています。これを「ストレス・パラドクス」といいます。

   職場に「ストレスの高い人」がいた場合でも、即座に問題だと思い込まず、まずしっかりと話を聴きましょう。そのうえで、ストレスチェックを受けてほしい、問題があったら医師に相談してほしい、と部下に伝えましょう。「高ストレスと判定された人」イコール問題あり、と短絡的に考えて不利益を与えてはいけないことは、法の趣旨でもあるのです。

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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