2024年 4月 20日 (土)

ワサビでストレス解消か 「ワサビアカデミー2010」でお茶女大・森光准教授らが講演

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講演する大阪市立大学医学部大学院・関山敦生准教授
講演する大阪市立大学医学部大学院・関山敦生准教授

   加工わさびの製造を手がける金印(名古屋市)は2010年12月6日、本ワサビがもつ機能性について、最新の研究内容を紹介するイベント「ワサビアカデミー2010」を都内で開催。お茶の水女子大学・森光康次郎准教授と、大阪市立大学医学部大学院・関山敦生准教授が講演し、食品の開発・製造を手がける関係者ら約120人が集まった。

   今回のアカデミーで、森光氏が取り上げたテーマは「食用植物の香辛成分と機能性―今、ワサビが面白い理由」で、セロリ、サンショウ、ショウガなど身近な香辛野菜における研究事例と比べながら、ワサビの機能性について詳説した。同氏によると、本ワサビが属する「アブラナ科」の野菜には高い生理機能性があり、中でも本ワサビにはデトックス効果などが認められているという。また、豊かな香気成分「ワサビチオヘキシル(6-MTITC)」には、花粉症や慢性鼻炎などに対する抗炎症効果もあるそうで、今後はワサビの機能性を生かした製品が活躍するかもしれない、との見方にも触れている。

   一方、関山氏が解説したのは、ワサビのもつ抗ストレスの機能性についての研究成果だ。同氏は、本ワサビに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-MSITC)」を取ることで、夜勤による疲労/ストレスに対する効果があるかを実験。その結果、夜勤による疲労感の増大の抑制、不安やイライラ感などに改善がみられたという。

   「6-MSITC」については、実験で副作用が見られなかったことや、抗不安薬や精神安定剤などの医薬品の有効率に匹敵する可能性があることも説明。そのうえで、今はまだ推測の域をでないとしながらも、ストレスが関わる悪性腫瘍(がん)、心筋梗塞、ぜんそく、アトピー性皮膚炎など免疫系、炎症系が原因となる病気の発症を減らし、発症を緩やかにする健康成分となりうる可能性を指摘した。

   アカデミーに出席した参加者の1人(健康食品メーカー)は「身近な食品にこうした機能性があるとは知らず意外だった。製品の開発にも可能性を感じた」と関心を寄せている。

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