2024年 4月 26日 (金)

北京の大気は「不透明な白」 飛行機も欠航や遅延続出

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   なんでも「排気ガスを毎日直接吸っているようなもの」なのだそうだ。喫煙者の話ではなく、北京の大気のことである。ふつう朝起きると、天気を気にするものだろうが、北京に住むと雨よりも雪よりもまず気になるのは「空気」。窓の外をみて空気の色をみる。基本的に北京の空気は白い。透明ではなく、不透明な白だ。簡単な方法では、どのくらい先のビルが見えるかどうかで判断するが、臭いで判断するという野生動物的方法もある。

米国大使館サイトの情報が信頼を集める

同じ位置から見た、汚染の低い日(上)と汚染の高い日(下)の中国国際貿易センター第三期(略称、国貿三期)ビルの見え方。国貿三期は、北京市内で最も高い超高層ビル。
同じ位置から見た、汚染の低い日(上)と汚染の高い日(下)の中国国際貿易センター第三期(略称、国貿三期)ビルの見え方。国貿三期は、北京市内で最も高い超高層ビル。

   昨年後半から、北京での大気汚染の深刻化が市民の間でもネット上などでことに取りざたされるようになってきた。北京オリンピック以来、自家用車はナンバープレートの末尾により週1回、北京市内を運転できないのだが、そういう規制もあまり大気改善に役立っていないようだ。汚染がひどいと昼間でもヘッドライトをつけないと運転もできないし、目印になるすぐ先のビルが見えないので、道も間違えやすい。飛行機の発着もできずキャンセルや遅延が続出する。

   北京のネチズンnetizen(ネットワーク市民)が近年信頼を寄せているのは、在中国米国大使館がTwitterで発信する「Beijing Air」だ。大使館所在地での1時間ごとの測定値が掲載されている。中国環境保護部や北京市環境モニタリングセンターも汚染粒子の濃度や汚染指数をウェブで公表しているが、米国大使館との違いは、中国はPM10の測定値に基づいているのに対し、米国大使館情報はPM2.5の測定値である点だ。

   PM10というのは、直径10μm以下の汚染粒子で、PM2.5は粒子サイズが2.5μm以下を指す。汚染粒子の粒が細かいほど、肺や血管の奥深くへと侵入し、喘息や気管支疾患だけでなく、肺や心臓にも悪影響を及ぼし、死亡リスクも増加するという。中国ではインターネットのアクセス規制があり、You TubeやFacebookと同様、Twitterにもアクセスできない。そのためBeijin AirTwitterの情報は、VPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)を通じてアクセス可能にしている友人に教えてもらっていたりしたのだが、米国大使館の別ページで確認できることがわかった(http://beijing.usembassy-china.org.cn/070109air.html)。

【プロフィル】
小林真理子(こばやし まりこ)
北京在住3年のフリーランスライター&翻訳業。
趣味は旅行と武道。

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