2024年 4月 27日 (土)

【書評ウォッチ】豊かな国がなぜほろぶのか いま考える「国家の衰退」 

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   この年末にきて国家の衰退について考える本2冊が2紙の読書面で。偶然の皮肉か、それともいま日本で私たちが真剣に考えるべきことなのか。

   『国家はなぜ衰退するのか』(上下、ダロン・アセモグルほか著、早川書房)は、世界に豊かな国と貧しい国があるのは政治経済制度のせいだと分析する。経済学界でも賛否が大きく分かれた話題の大作だ。西欧民主主義国で成長が止まった原因を考える『劣化国家』(ニーアル・ファーガソン著、東洋経済新報社)も、市民社会や資本主義の法制度を問題にする。独裁国家よりはよほどマシだとは思うのだが、それでも衰退していくのだろうか、日本も?【2013年12月29日(日)の各紙からⅠ】

アベノミクスで揺れた一年の締めくくりに

『国家はなぜ衰退するのか』
『国家はなぜ衰退するのか』

   どちらも米英の経済学者や歴史学者の著作だが、内容はけっこうわかりやすい。『国家はなぜ衰退するのか』は、街のまん中を米国・メキシコの国境が走るノガレスから両国の違いを研究、さらに韓国と北朝鮮、ボツワナとジンバブエ。近いのに発展の極端な差はなぜかと問いかける。

   「わかりきったことや」と思う人もいるだろうが、では中国はこのまま経済成長を続け、欧米や日本を圧倒するかとくる。結局、人から収奪するような国は失敗すると著者は言いたいらしい。

   古代ローマやマヤ、明治の日本まで出して解説するのだが、「政治ですべてが決まるものか」「大英帝国だって収奪国家じゃないか」などの批判も。「国家システムはどうあるべきかを論じるには欠かせない一冊となろう」とは、朝日新聞読書面の一年総括特集で原真人さん。アベノミクスで揺れた一年の締めに、国の繁栄と衰退を考える参考書にはなる。

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