プロレスは流血のドラマ 歴史に残る名勝負の数々

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   2月19日は、プロレスファンなら是非知っておきたい「プロレスの日」だ。日本がまだまだ貧しかった昭和29年(1954年)、東京・蔵前国技館で日本初の本格的な国際試合が開催された日である。対戦したのは力道山・木村政彦組とアメリカからやってきたシャープ兄弟。力道山が空手チョップで巨漢を倒すと、街頭テレビで人々は熱狂した。今回はプロレスの名勝負や女子レスラーの伝説、マニアックな知識など各面からプロレスの魅力を紹介する。

    J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチhttp://www.j-cast.com/bookwatch/)」でも特集記事を公開中。

史上最強の柔道家の数奇な人生

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(著・増田俊也、新潮社)
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(著・増田俊也、新潮社)

   『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(著・増田俊也、新潮社、2808円)は、史上最強の柔道家といわれた木村政彦の数奇な人生を描いた長編ノンフィクションである。 柔道からプロレスに転じた木村は、人気絶頂の力道山に決戦を挑んだが、一方的に叩き潰され、表舞台から姿を消す。だが、「引き分け」の約束を破った力道山を許すことができず、短刀を手に力道山を殺そうと付けねらう――。その深層は? 戦後スポーツ史上最大の謎に迫る。

   木村は早くから柔道界で怪童として知られ、史上最年少で「全日本選士権(選手権の前身)」を制し、15年間不敗のまま引退、「木村の前に木村はなく、木村の後に木村なし」と称賛された。師匠は「鬼の牛島」といわれた牛島辰熊。思想家でもあった牛島が関係した東條英機暗殺計画の真相やプロレスの旗揚げなど昭和の裏面史も興味深い。

   著者の増田俊也氏は北海道大学中退だが、北大柔道部員として柔道に思い入れがあり、この作品にも18年の歳月を費やした。第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。

女子プロレスの空前のブーム

『1993年の女子プロレス』(著・柳澤健、双葉社)
『1993年の女子プロレス』(著・柳澤健、双葉社)

   日本の女子プロレスの始まりは戦後間もない頃、キャバレーや芝居小屋で行われた相手のガーターベルトを奪い合うショーだった。次第に試合として認められるようになり、1974年に一人のスターが現れた。ルックスに恵まれた超大型のマッハ文朱。マッハに憧れたビューティ・ペアが登場し、ビューティに憧れてクラッシュ・ギャルズが続いた。その後にブル中野――。

   そして1993年4月2日、横浜アリーナで史上初のオールスター戦が行われ、北斗晶と神取忍が流血の死闘を演じた。これを境に日本の女子プロレスの時代が変わり、かつてないブームが起きる。

   『1993年の女子プロレス』(著・柳澤健、双葉社、1000円)は、激動の時代を駆け抜けた女たちのインタビューだ。ブル中野、尾崎魔弓、デビル雅美、ライオネス飛鳥、長与千種ら1993年で切り取った女子プロレスの証言集である。

思わずニヤリとするマニアックな知識

『プロレス語辞典』(著・榎本タイキ、監・高木三四郎、誠文堂新光社)
『プロレス語辞典』(著・榎本タイキ、監・高木三四郎、誠文堂新光社)

   これを読むと、相当のプロレスファンでも「なるほど」と感心するのではないか。『プロレス語辞典』(著・榎本タイキ、監・高木三四郎、誠文堂新光社、1512円)。副題には「プロレスにまつわる言葉をイラストと豆知識で元気に読み解く」とある。

   新旧の人気選手のエピソードから必殺技、歴史に残る名勝負、名言など、プロレス全般に関する650の用語をイラストとともに収録した。辞典形式で、「あ行」から始まり、例えば「あ」は、アーノルド・シュワルツェネッガー、アームドラッグ。「か」は、凱旋試合、回転地獄五輪。「さ」は、最古参女子レスラー、サーベル。「た」は、タイガーマスク、第三代世代。「な」は、南海竜、二―ドロップといった調子で最後の「わ」まで続く。

   マンガでわかるプロレスの歴史、年間カレンダー、団体一覧、レスラーの店、さらにはリングアナウンサー、レフリー、リングドクターなど裏方も紹介している。

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