2025年 日本の広告費

2025年2026年3月5日
株式会社 電 通

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202603045005-O13-6ow5Y4JB

 株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:佐野 傑)は本日、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2025年 日本の広告費」を発表した。詳細は下記のとおり。

 

<2025年 日本の広告費の概況>

◆2025年の総広告費は、通年で8兆623億円(前年比105.1%)となり、2021年から5年連続で成長し、4年連続で過去最高を更新した。企業の好業績によるデジタル投資の加速や、大型イベントの開催などが成長を後押しした。動画やSNS広告が伸長し、「インターネット広告費」が総広告費に占める構成比は50.2%となり、初めて過半数に達した。マスコミ四媒体広告費は、2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいだった。

◆インターネット広告費は、4兆459億円(前年比110.8%)と、前年より3,942億円増加し、1996年の推定開始以来、初めて4兆円を超えた。SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ受像機)などの動画広告需要の高まりなどが、市場全体の拡大に寄与した。

◆プロモーションメディア広告費は、インバウンド需要や大型イベントの開催で人流が増加した結果、「屋外広告」や「交通広告」「POP」「イベント・展示・映像ほか」、など人の動きに関わる分野で伸長し、1兆7,184億円(前年比102.0%)と、3年連続でプラス成長となった。「イベント・展示・映像ほか」は4,748億円(同111.2%)と、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」)、東京2025世界陸上競技選手権大会(以下「東京2025世界陸上」)などの大型イベントが寄与し、二桁成長となった。

 

図表1 日本の総広告費の推移

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202603045005-O2-7ezKb4Vg
(注)2019年に「物販系ECプラットフォーム広告費」と「イベント領域」を追加推定(2018年以前の遡及修正は行っていない)。
図表2 媒体別広告費 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202603045005-O3-u37Fe61b



<媒体別広告費の概況>

 「日本の広告費」は、大きく次の3つのカテゴリーに分類される。

(1)マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算。それぞれの広告費には制作費も含まれている)、(2)インターネット広告費(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)、(3)プロモーションメディア広告費(屋外、交通、折込、DM<ダイレクト・メール>、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像ほかの合算)。

 

(1) マスコミ四媒体広告費 2兆2,980億円(前年比98.4%)

 「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」のマスコミ四媒体広告費は、全体で2兆2,980億円(前年比98.4%)と、ほぼ横ばいだった。

(2)インターネット広告費 4兆459億円(前年比110.8%)

 動画広告を中心に成長し、総広告費に占める構成比は50.2%初の過半数に達した。「インターネット広告媒体費」は、二桁成長の3兆3,093億円(前年比111.8%)となった。

 マスコミ四媒体由来のデジタル広告費における「テレビメディア関連動画広告費」は、805億円(同123.3%)となり、前年に続き高い成長を示した。「物販系ECプラットフォーム広告費」は、オンライン通販のさらなる普及もあり、2,444億円(同112.5%)へと増加した。「インターネット広告制作費」は、動画広告の制作本数の拡大もあり、4,922億円(同104.0%)へと増加した。

(3)プロモーションメディア広告費 1兆7,184億円(前年比102.0%)

 インバウンド需要の拡大に伴い、「屋外広告」「交通広告」「POP」が増加した。また、大阪・関西万博や東京2025世界陸上などの大型イベントの開催や、大型商業施設、ホテルなどの新装・改装、都市再開発などのプラス要因もあり、「イベント・展示・映像ほか」が二桁成長の4,748億円(前年比111.2%)となるなど、プロモーションメディア全体の成長に寄与した。

 

図表3 媒体別広告費<2023年~2025年>【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202603045005-O4-TUg9tLu5

 

<媒体別広告費詳細>

(1)マスコミ四媒体広告費(業種別 マスコミ四媒体別広告費は 添付PDFの図表8を参照)

①新聞広告費 3,136億円(前年比91.8%)

・不透明な世界情勢や円安による物価高の影響などを受け、新聞広告出稿は伸び悩んだ。第27回参議院議員通常選挙や大阪・関西万博、東京2025世界陸上などの開催は、広告費を押し上げるには至らず、通年では減少した。

・業種別では、「家電・AV機器」 「精密機器・事務用品」 「自動車・関連品」などが増加した一方、「食品」は前年比85.3%と前年に続き減少した。回復傾向にあった「流通・小売業」も同88.7%となった。

②雑誌広告費 1,135億円(前年比96.3%)

・紙の出版物推定販売金額は減少し前年比95.9%となり、内訳は書籍が同100.0%、雑誌が同90.0%となった。電子出版市場は同102.7%と引き続き成長し、紙と電子出版を合わせた出版市場全体は同98.4%となった。(数字出典:出版科学研究所「季刊 出版指標」2026年冬号)

・業種別では、「金融・保険」や「官公庁・団体」など前年を上回る業種もあったが、雑誌広告費シェアの高い「ファッション・アクセサリー」は前年比97.8%、「化粧品・トイレタリー」は同92.5%となった。

・出版社のコンテンツ制作力やファンベースマーケティングに関心が高まったものの、通年では前年比96.3%と減少した。SNSなどでのデジタル展開は急成長期からいったん安定期に入り、読者イベントや販促ツール制作といったリアル回帰の動きがみられた。

③ラジオ広告費 1,153億円(前年比99.2%)

・さまざまな音声コンテンツを届ける音声メディアへの関心が引き続き高まっており、デジタルオーディオ広告は増加したものの、地上波ラジオ放送における広告市場は、通年で前年を下回った。

・業種別では、「情報・通信」(前年比125.7%)、「流通・小売業」(同120.0%)などが増加した。

④テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連) 1兆7,556億円(前年比99.7%)

・テレビメディア広告費全体では、前年並みとなった。

◇地上波テレビ 1兆6,333億円(同99.9%)

・番組(タイム)広告費は、大阪・関西万博や東京2025世界陸上など大型イベントの開催に伴い好調に推移したものの、パリ2024オリンピック・パラリンピックなどの反動減を抑えるには至らず、通年では減少となった。

・スポット広告費は、消費行動の活性化などに伴い、「流通・小売業」「交通・レジャー」「情報・通信」ほかが好調に推移し、前年を上回った。

◇衛星メディア関連 1,223億円(同97.5%)

・BS・CSともに、物価高による買い控えなどでテレビ通販市場が影響を受け、横ばいから緩やかな縮小傾向で推移し、前年を下回った。

 

(2)インターネット広告費

①インターネット広告媒体費 3兆3,093億円(前年比111.8%)

・前年同様、動画広告が堅調で全体を押し上げたとともに、ディスプレイ広告についても復調の兆しが見られた。特に、SNS上に加えて、インターネット回線を通じてコンテンツを提供するOTTサービス上の動画広告の需要の高まりが寄与した。

・詳細については、本リリースと同時にリリースした CARTA HOLDINGS(カルタホールディングス)、電通、電通デジタル、セプテーニの4社 共同発表の「2025年 日本のインターネット広告媒体費 詳細分析」を参照。URL: https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html 

・マスコミ四媒体由来のデジタル広告費 1,651億円(インターネット広告媒体費の一部、同108.6%)

引き続き好調を維持し、前年を上回った。

・新聞デジタル 191億円(同97.9%)

官公庁・金融・ECサイトやBtoB企業の出稿が目立ったが、新聞デジタル以外の動画広告への予算シフトなどの影響もあり、引き続き前年を下回った。予約型広告は、ターゲティングによるディスプレイ広告や新聞広告に連動した商品、タイアップなどを中心に堅調だったものの、運用型広告は、PV(ページビュー)数の減少や単価低下の影響を大きく受けた。

・雑誌デジタル 615億円(同96.5%) 

タイアップやオウンドメディア支援などのコンテンツ制作力を生かした領域は、引き続き底堅く推移したものの、運用型広告の単価下落やプラットフォーム側のアルゴリズム変更や、ユーザーのAI検索行動によるPV数の伸び悩みなどが影響し、前年を下回った。

・ラジオデジタル 38億円(同111.8%)

前年に続き、podcast(ポッドキャスト)をはじめとする音声メディアでのデジタル展開が注目され、二桁成長となった。また、ターゲットに合わせた出稿が可能なデジタルオーディオ広告への新規出稿数が増加した。

・テレビメディアデジタル 807億円(同123.4%)

「テレビメディア関連動画広告」が805億円(同123.3%)と、前年に続き大きく増加した。無料テレビ番組配信サービスでは、配信数上位を占めるドラマに加え、バラエティの視聴も増え、特に年末の漫才コンクール視聴数は前年比増となるなど、再生数・ユーザー数ともに過去最高を記録した。スポーツのライブ視聴も定着し、各種大会の視聴数も増加した。インターネットテレビサービスは、人気のリアリティショーやアニメなどにより、ユーザー数の定着がみられた。

②「日本の広告費」における「物販系ECプラットフォーム広告費」 2,444億円(前年比112.5%)

・前年は緩やかな成長にとどまったが、2025年は二桁成長となり「再成長の局面」を迎えた。

・物価高騰に対して、実質負担を抑える節約(セール、ポイントバックなど)を志向する生活者へのアプローチが増加した。

③インターネット広告制作費 4,922億円(前年比104.0%)

・インターネット広告全体の成長に伴い、制作需要も前年に続き拡大した。

・中でも、ブランディングから購買、CRM(顧客関係管理)まで広い領域で動画活用が進み、動画関連が引き続き伸長した。

 

(3)プロモーションメディア広告費

①屋外広告 3,042億円(前年比105.3%)

・飲料、情報・通信を中心に、多くの業種で屋外広告利用が目立つなど、好調に推移した。

・短期看板は、繁華街に設置の大型ボードを中心に、SNSでの拡散を意識したインパクトのあるOOH展開が数多くみられた。屋外ビジョンは、引き続き渋谷・表参道など都市部繁華街の引き合いが活況であった。

・ネットワーク型のデジタルOOH媒体については、広告取引や配信を自動化するプログラマティックDOOH(デジタル屋外広告)が本格普及の段階に入り、小売・流通業の店舗内サイネージなどリテールメディアへの連携も加速した。

②交通広告 1,736億円(前年比108.6%)

・インバウンド需要の高まりで全国的に増加し、特に関西圏では、大阪・関西万博の開催に伴い、駅の大型デジタルサイネージが多く新設されるなど、大きく増加した。

・鉄道は、車内ビジョン、中づり、ステッカーなどの車両内の媒体が前年を上回った。駅媒体は、引き続き大型デジタルサイネージへの出稿需要が高く、大都市を中心に駅のデジタルサイネージ新設の傾向が続く。

・バスは、大都市圏ではバス車体広告やバス停広告のニーズが強かった。一方、ローカル圏はバスの車体数の減少で広告出稿も減少傾向だった。

・空港は、インバウンド需要の拡大により、デジタルサイネージを中心に前年を上回った。

・タクシーは、AI関連サービスの訴求活性化でBtoB企業による出稿が増加したほか、BtoC企業の出稿も拡大。またコンテンツを活用した番組セールスも好調に推移し、大幅な増加となった。

③折込 2,354億円(前年比96.4%)

・新聞購読率の減少や人件費、配送コストの高騰に伴う媒体単価の値上げの影響を受け、出稿量が前年を下回った。

・物価高の影響で節約志向が続く中、地域密着型店舗や高齢層向けの商材・サービスを中心に、訴求型広告としての活用がみられたほか、2025年7月の第27回参議院議員通常選挙に伴い出稿が増加した。

・業種別では、通信販売業、会員制個別宅配、旅行・宿泊業などが増加し、リサイクルショップや買い取り業も引き続き好調に推移した。一方、教育・教養や自動車販売業などは減少した。

④DM(ダイレクト・メール) 2,708億円(前年比94.6%)

・2024年10月の郵便料金改定などの影響で発送数や媒体を見直す動きもあり、前年を下回った。

・通販系企業を中心に、単発のキャンペーンタイプDMから、受け手とのコミュニケーションに配慮した商品同梱型のパーソナライズDMへの移行がみられた。

・圧着はがきタイプのものから、ターゲットを絞った高付加価値タイプのDMと、QRコード・動画などを利用したオンラインでの完結が可能なデジタルとのハイブリッド運用がさらに進化した。

・通販系企業を筆頭に、高額商品や金融サービス、小売、通信などのDMが多かった。

⑤フリーペーパー※ 1,056億円(前年比80.9%) 

・デジタル移行などに伴う休刊や廃刊により、減少した。

・冠婚葬祭や住宅・不動産関連の業種は増加傾向にあったが、求人情報関連は減少した。制作原価や人件費の高騰で広告単価を上げる動きもみられたが、出稿件数の減少などが影響した。

・地域経済に密着した生活情報に関するニーズは高く、デジタル施策との連動による企画商品で、新規広告主の獲得を目指す動きもみられた。

※フリーペーパーは、タブロイド判タイプのフリーペーパー・雑誌タイプのフリーマガジン・電話帳の総称。

⑥POP 1,540億円(前年比103.8%) 

・実店舗での購買行動の増加で、消費者との直接のコミュニケーション接点となる売り場のPOPが増加した。特に売り場訴求の要求が高い食品や日用品などは、物価高による価格改定への対応もあり、売り場戦略の強化が進んだ。

・一方、ECや流通業が持つメディアへの移行や、紙・資材などのコスト増、環境対策なども鑑み、広告主サイドの販促予算が抑制される動きもみられた。

⑦イベント・展示・映像ほか 4,748億円(前年比111.2%)

・2025年は大阪・関西万博やJapan Mobility Show 2025、東京2025世界陸上など大型イベントの開催が重なり、二桁成長となった。

・また、大型商業施設、ホテルなどの新装・改装、都市再開発による需要増も大きなプラス要因となった。

・さまざまな企業がリアル体験の有用性を再確認し、イベントや展示により顧客接点を創出する動きが活発化した。単なる商品展示から、商談の質を高めるためのコミュニティ形成やテクノロジーを駆使した高度な体験設計が重視される場へと役割がシフトした。

・一方、人件費や物流費、材料費などの高騰により、引き続き厳しいビジネス環境にあることは変わらない。

・シネアド(シネマ・アドバタイジング)は、邦画の大ヒット作がけん引し、前年を上回った。

 

【その他、広告関連市場】 ※「日本の広告費」市場には含まれない

・商業印刷市場 1兆7,500億円(前年比99.4%)

デジタル広告の拡大で紙媒体を取り巻く環境は厳しかったが、原材料費や物流費などの高騰により価格転嫁は進んだ。短納期、小ロット、可変データといった需要の増加で、さらにデジタル印刷の導入が加速し、印刷業各社のデジタル対応力の差が受注を左右する局面となっている。

・ポスティング市場 1,497億円(前年比101.1%)

地域を限定したポスティングなどは都市圏を中心に伸長した。リサイクルショップや買い取り業をはじめ、官公庁・自治体の広報関連、飲食・小売業、不動産・住宅設備など、他媒体の補完機能としても幅広い業種で活用された。人手不足や環境問題などへの対応のため、事業者の再編が進んだ。

・DM制作関連市場 1,121億円(前年比100.2%)

DM発送数は減少したものの、資材高騰などにより制作周辺領域の関連市場は前年並みとなった。ウェブ誘導型の低コストDMと、高額商品やBtoB向けのプレミアム型DMの二極化が進んでいる。

 

<業種別広告費(衛星メディア関連を除くマスコミ四媒体のみ)について>(添付PDFの図表7を参照) 

「官公庁・団体」「エネルギー・素材・機械」「教育・医療サービス・宗教」「ファッション・アクセサリー」など8業種が増加した。

 

<「インターネット広告媒体費」の内訳詳細について>

CARTA HOLDINGS、電通、電通デジタル、セプテーニの4社は、インターネット広告媒体費を種別や取引手法などの切り口でみる「2025年 インターネット広告媒体費詳細分析」を3月5日に発表した。

URL:  https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html



CARTA HOLDINGS グループコミュニケーション本部 リレーションマネジメント室 室長の高松 幹夫と電通メディアイノベーションラボ 主任研究員 森永 陸一郎による「2025年 日本の広告費」と「2025年 日本のインターネット広告媒体費 詳細分析」解説記事は、「電通報」でご覧いただけます。 

https://dentsu-ho.com/articles/9645



「2025年 日本の広告費」の解説動画は「電通ウェブサイト ナレッジ & データ」でご覧いただけます。

https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/
(※その他の図表は添付のPDFをご覧ください。)

                                              以上 

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