40年以上、朝ごはんの定番。母から娘へ受け継がれる「バウルー」のホットサンドメーカー

モノがあふれるいま、「これだけは手放せない」と胸を張って言える道具は、どれくらいあるでしょうか。
暮らしの達人たちに話を聞きながら、数ある選択肢のなかで「なぜそれが手元に残り続けているのか」を、その人の価値観や暮らしとともに紐解いていきます。
今回話を聞いたのは、ROOMIEの連載「みんなの部屋」にも登場してくれた、ビジュアルコンサルタント・整理収納アドバイザーの能登屋英里さん。

40年以上前から家族の朝食を支えてきた、直火式のホットサンドメーカーについて話を聞きました。
Bawloo(バウルー)のホットサンドメーカー
「私が6歳くらいのころから、朝ごはんによくホットサンドを作ってもらっていました」
そう話しながら見せてくれたのは、長年使い込まれ、鉄板に深い色艶が宿ったホットサンドメーカー・Bawloo(バウルー)の「ダブル」。

この一台は、能登屋さんの母親が40年以上使い続けてきたもの。子どものころの朝食には、いつもこのバウルーで焼いたホットサンドが並んでいたといいます。
結婚するとき、母親から「持っていく?」と声をかけられ、譲り受けました。

実家のキッチンがIHに替わって使えなくなったので、譲ってもらいました。きっと母も、まだ使えるものだから捨てるのは惜しかったんだと思います。
私の娘にこのバウルーでホットサンドを作ったと話すと、「孫にも食べてもらえてうれしい」と喜んでくれるんです。
ちなみに、現在販売されている後継モデルは、焼き面にフッ素加工が施されており、焦げ付く心配もないのでフライパン感覚で使えます。
シンプルなつくりで、長く使える

整理収納アドバイザーとして活動する能登屋さんが道具選びで大切にしているのは、「使いやすさ」だけではありません。長く付き合えることも、重要な基準です。
ホットサンドだけでなく、ワッフルも焼けるタイプに憧れたことはあります。でも、パーツが多いと片付けも大変ですし、使いこなせなくなりそうで。
その点、バウルーは無駄のないつくりなんです。収納もしやすいですし、キッチンに吊るしておくだけで絵になるんです。

キッチンは、カフェや厨房のような雰囲気を意識しているという能登屋さん。ヴィンテージのような風合いをまとった焼き面は、空間にも自然と溶け込み、道具でありながらインテリアの一部としても存在感を放っています。
そして何より驚くのは、その丈夫さ。

昔のものって、本当に丈夫なんですよね。取っ手はプラスチックですが、長年使っていてもほとんど劣化を感じません。
流行に合わせて買い替えるより、長く使えるものを選ぶ。その考え方は、能登屋さんの暮らし方そのものを表しているようでした。
朝ごはんの定番は、チーズとハムのホットサンド
暮らしの変化とともに出番が減っていた時期がありましたが、子どもに作ってみたことをきっかけに再び食卓の定番になりました。
娘が「野菜は入れないでね」と言うので、具材はチーズとハムが定番です(笑)。でも、このホットサンドならパンの耳までカリッと焼き上がるので、残さず食べてくれるんです。
定番のレシピは、とてもシンプル。

8枚切りの食パンを2枚用意して、片面にケチャップをたっぷり塗ります。そこにハムを2枚、さらにとろけるチーズをのせたら準備は完了。
バウルーをあらかじめ温めてバターを塗り、準備した食パンを挟んで両面を数分ずつ焼けば完成です。

できあがったホットサンドの表面はこんがり焼けてカリッと香ばしく、中はふんわり。ハムがとろけたチーズを包み込み、どこか懐かしく、飽きのこない味わいです。

手軽で、おいしくて、子どもが喜んで食べてくれる。その積み重ねが、親から子へ受け継がれる理由なのでしょう。
一番好きなのは、中央で半分に仕切られる「ダブル」
バウルーには、食パンをそのまま焼き上げる「シングル」と、中央で半分に仕切られる「ダブル」の2種類があります。能登屋さんが持っているのはダブルタイプ。

一番好きなのは、この半分になるところですね。真ん中がしっかり圧着されるので、中の具材がこぼれにくく、そのまま食べやすいサイズになるんです。
学生時代には、お弁当として持って行くこともあったそう。

中央で仕切られた部分に沿って包丁を入れれば、きれいに2つのホットサンドのできあがりです。
唯一の弱点はIHでは使えない…

正直、使い方も構造もすごくシンプルなので、不満はまったくないですね。強いて言うなら、IHでは使えないことくらいでしょうか。
うちはガスコンロなので困ることはないのですが、最近はIHのお家も多いですよね。その場合はカセットコンロを用意しないと使えないので、そこだけは少しハードルがあるかもしれません。

洗いすぎる必要もなく、汚れが気になったときにサッと洗う程度で十分。特別なお手入れをしなくても、気負わず使い続けられるところも魅力。
便利な機能が次々と増えていく時代だからこそ、「挟んで焼く」というひとつの役割を変えずに守り続けているバウルー。その変わらなさが、世代を超えて受け継がれる道具になっているのかもしれませんね。
娘にも受け継いでほしい道具

最後に、このバウルーについて思い描く未来も教えてくれました。
10年後、20年後も使っていたいですし、いつか娘にも受け継げたらいいなと思っています。それくらい長く使えるものだと思います。

能登屋さんにとってバウルーは、ただ長持ちする道具ではありません。
家族で囲んだ朝ごはんの時間を重ねながら、母から娘へと受け継がれてきた存在です。
便利さだけでは測れない価値があるからこそ、これからも食卓のそばにあり続けるのでしょう。
文・Ayaka.takaura
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