2024年 4月 27日 (土)

「ダーウィン・アワード」
さよなら「おバカ」な遺伝子たち 「変な死に方」笑えるぞ

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   ダーウィン賞というから進化論とか科学の面で功績があった人に与えられる賞で、なんやら難しそうで辛気くさい映画だろうと思っていた。が、冒頭から思いがけず笑いの連続。ダーウィン賞なるものは、その年に最も馬鹿げた行為で死んでしまった人、自ら死ぬことで己の劣悪な遺伝子を絶ち、人類に貢献した人に与えられる賞なのだ。アメリカで実際にインターネット上に存在するらしい。だから映画の冒頭で、高層ビルの強化ガラスの硬度を試すため、体ごとぶっつかり墜落死する男を紹介する。このようにバカバカしい死に方をした人たちのエピソードを次から次へと描いている。(「ネタバレ」あり、ご注意)


   狂言廻しはSFPD(サンフランシスコ市警)のプロファイラー、マイケル(ジョセフ・ファインズ)。折角シリアル・キラーを得意のプロファイルで追い詰めながら、血を見ると失神する子供の時からの欠点であっさりSFPDをクビ。就活で面接を受けた保険屋の人事部長の、下着の色やら浮気を総て当てる。感心した部長から、試用期間として保険金詐欺の臭いがする案件(ダーウィン・アワードの候補者たち)の真相を探る仕事を貰う。シカゴへ飛んで最初の仕事は、自販機の下敷きになって死んだ男の保険金を払うかどうか。現場には調査員の先輩シリ(ウィノナ・ライダー)がいて、単純な事故死で賠償金を支払うと結論を出している。マイケルは男の性格を見抜き、タダで品物を抜き取る常習犯だとして自販機内の指紋を調べさせる。ビンゴ!これ以降マイケルとシリは全米を廻り、変死や事故で保険金が関わるものを調べる。

   最高に可笑しいのは自動車盗難の保険金請求だ。平和な田舎町で新車が消えた、と男(クリス・ペン)が訴える。釣りが趣味と見抜き凍った池に行く。木の上には爆発で吹き飛んだ魚が張り付いている。ダイナマイトで氷を割ろうとして失敗したようだ。真相に大笑い。ダイナマイトに点火して放り投げると、愛犬が遊びと間違えて咥えて走る。持って来られたらぶっ飛ばされるので犬をライフルで撃つ。犬は逃げて車の下に隠れる。そこで爆発。滅茶苦茶になった車が凍った池の下から引き上げられる。

   万引き事件以来すっかり出番の減ったウィノナ・ライダーが、生き生きと地味で保守的なプロファイラーを煽る芝居をしている。他に懐かしいジュリエット・ルイスやデヴィッド・アークエットなどが顔を見せる。監督・脚本はフィン・タイラー。インディ出身で「チェリッシュ」などの作品がある。笑えるエピソードが次から次へと続き、最初に逃がした連続殺人鬼も捕まえるというエンディングまで飽きることなく楽しませてくれる。

恵介
★★★☆☆
「ダーウィン・アワード」(THE DARWIN AWARD)
2006年、アメリカ映画、プレシディオ配給、1時間35分、12月1日公開
監督・脚本:フィン・タイラー
出演:ジョセフ・ファインズ/ウィノナ・ライダー/クリス・ペン
公式サイト:http://www.darwin-award.jp/
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