2024年 4月 27日 (土)

「アイ・アム・レジェンド」
地球一人ぼっちのウィル・スミス 「寂しくない」ワケは?

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   正月洋画の目玉の一つ。原作はR・マシスン。1964年にV・プライス主演で「地球最後の男」、71年にC・へストンで「地球最後の男/オメガマン」と2度映画化されている。良く覚えているヘストン版との違いは、主役が白人からウィル・スミスの黒人(他の登場人物もラティーノで白人はゾンビだけ)に、舞台がLAからNYに変わったところ。共に人類が死に絶えた原因は細菌だが、ヘストン版では中国と旧ソ連の細菌戦争の結果(中ソの仲が悪かった)。最大の違いは、細菌で死んだ人々が墓場から蘇り人間を襲うというテーマの、いわばゾンビ映画だった点だ。

(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

   2012年のNY。ウィルスで人類は滅亡し、科学者のロバート・ネビル(スミス)が唯一人生き残った。彼には免疫があり、細菌が蔓延し始めた3年前からワクチンの開発に専念して来た。昼間は愛犬サムとマンハッタンで食料探し。セントラルパークからミッドタウンにかけて鹿が繁殖し、狩りもする。しかし陽が落ちて暗くなるとワシントン・スクエアにある隠れ家へ引篭もり、厳重な戸締りをする。細菌による死人が凶暴なゾンビになって襲い掛かるからだ。

   興味を引かれるのは無人のマンハッタン。ネビルのマスタングが1台だけ街を高速で走り抜けるショットは爽快だ。「ウィキッド」「ヘアスプレイ」などミュージカルの看板が目立つタイムズ・スクエアには、背丈ほどの雑草が生い茂る。パトカーやバスなどが街路一杯に放置されている風景。そこでネビルはトウモロコシを栽培している。「生存者がいたら正午に来てくれ」とAM放送で呼びかけるサウスストリート・シーポートは、ネビルのいる埠頭だけがイースト・リバーに突き出ている。マンハッタンの反対側、ハドソン河に浮かぶ博物館イントレピッド号上で、ジェット戦闘機の尾翼からロングアイアンで86番埠頭を越えてボールをナイスショット!夜になると住居の窓からライトに浮かび上がる凱旋門。無人化したNY観光のスポットは結構堪能できる。

   しかし物語として内容不足は否めない。ゾンビ対生存者なんてネタが古いし、ようやく開発したワクチンを身を呈して救うというのもどっかで見た。無人のNYで、電気や水道に不自由しない生活も頷けない。NYは何度も大停電に苦しんでいる。一人ぼっちのネビルの友達、シェパードのサムが可愛い。一緒にランニングマシーンで走る姿は笑える。NYに暫く住んだ私にとっては、セントラルパークに面した自分のアパートも背景にあり楽しめた。だが肝心のストーリーは、突如ラティーノの母子が現われて宗教的な陳腐な結末でがっくりする。

恵介
★★★☆☆

「アイ・アム・レジェンド」(I AM LEGEND)
2007年、アメリカ映画、ワーナーブラザース配給、1時間40分、12月14日公開
監督:フランシス・リーレンス
出演:ウィル・スミス/アリーシー・ブラガ

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