2024年 4月 26日 (金)

広島原爆「黒い雨」降ったのもっと広かった!国に修正迫る調査

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   65年前の8月6日、広島に原爆が投下された。立ち昇るきのこ雲の映像は常に見る者を慄然とさせる。その原爆の日の前夜、番組は、きのこ雲と降り注いだ黒い雨をめぐる新事実を明らかにした。これまで国は、写真に映ったわずかな地形などから、きのこ雲の高さを8080メートルと測定、それを根拠に黒い雨の降雨地域、すなわち被爆者に対する援護対象地域を、爆心地から風下に当たる北西19キロの範囲としてきた。今、その数字に修正を迫るさまざまな取り組みが進行中であるという。

きのこ雲の高さ実際は2倍

   広島市立大学の研究グループは、きのこ雲の写真40枚を国内外から集めた。国が援護対象地域を特定した写真のオリジナルもあった。より広い範囲の地形も鮮明に映っている。雲の高さと発達の過程を解析した結果、きのこ雲の高さは8080メートルではなく、1万900メートルであったことがわかる。雲はその後、地上の火災熱が生み出す上昇気流によって膨張し、最終的には1万5500メートルにまで達していたと算出する。

   研究をもとにしたきのこ雲の再現CGは鮮烈な印象を残す。きのこ雲が国の想定をはるかに超える高さに上昇したことで、偏西風の影響を受け、黒い雨の降り注ぐ地域が、北西方向だけでなく東にも広がっていた可能性を指摘する気象研究者もいる。

   大瀧慈・広島大学教授は、原爆投下時、広島市周辺にいた3万人のアンケート調査を実施、このうち黒い雨が降った時間と場所を具体的に答えた人は1500人。その回答によると、黒い雨は午前9時から午後3時まで降りつづき、降雨範囲は政府が特定した地域よりも大幅に広かったという。

   さらに、放射線物理学が専門の星正治・広島大学教授は、国が降雨地域と認めていない場所に、原爆投下数年後に建てられた家の床下から土壌を採取。調査した5軒の土から、自然界にはない放射性物質のセシウム137が検出された。

   「広い地域で放射能を含んだ雨が降った可能性がある」と星教授は話す。

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