2024年 4月 26日 (金)

<悪の教典>
気持ちいいくらいに人が死んでいく!伊藤英明が殺して殺して殺しまくり

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(C)2012「悪の教典」製作委員会
(C)2012「悪の教典」製作委員会

   『黒い家』や『青の炎』などで知られる貴志祐介のベストセラー小説を映画化したサイコスリラーである。生徒に人気の煌々教師が裏では殺人を繰り返す狂気を『海猿』シリーズの伊藤英明が演じている。生徒役で『ヒミズ』でベネチア国際映画祭新人俳優賞を受賞した二階堂ふみと染谷将太が出演していることでも話題になっている。

   ハスミンの愛称で生徒から慕われ、学校からの評価も高い蓮見聖司(伊藤英明)は、実は都合の悪い人間をいとも簡単に殺してしまうサイコパスであった。目的は学校を自分にとっての「理想の王国」とすることで、そのためには手段を選ばない。ところが、小さなミスから本性が露呈してしまう。それを隠ぺいするために蓮見がとった行動は、クラスの生徒全員を惨殺することであった。

人気高校教師の本性はサイコパスだった

   蓮見はときに口笛を吹きながらとぼけた様子で惨殺していく。海猿で見せた伊藤の爽やかさが表の顔で、それだけに突如殺人者になってしまう無気味さは鳥肌が立つ。この役を受けた伊藤英明にまずは拍手を送りたい。

   映画の序盤はわりと丁寧に人物描写や出来事を描く。どこにでもある私立高校の風景や生徒や教員たちのやりとりなのだが、どこからか迫る恐怖。普通というリアルの中に忍び寄ってくる恐怖や不安がうまく描いている。

   蓮見が中盤で犯す「ある失敗」をきっかけに、この映画はホラーからスリラーへと変わる。それまで当たり前にあったものをすべてぶち壊すかのように、蓮見は生徒や教師たちに猟銃をぶっ放すのだ。気持ちいいくらいに人が死んでいく、こういった類の映画が苦手な方には絶対におススメできない映画となる。

   このハチャメチャ感が三池監督らしいのだが、殺し方がワンパターンで途中から飽きてしまう。誰にも感情移入できないまま、ただ殺されていくシーンを見せられるのは辛い。その辛さが監督の狙いであるとしても、エンターテイメント作品というのであれば、一人くらいは感情移入できる人物を作ってもよかったのではないか。撮影現場は楽しそうだけど、観ている方の拠り所としてあの中の一人にせめて自分を重ねたかった、そんなもどかしさが残る。

野崎芳史

おススメ度☆☆

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