2024年 5月 9日 (木)

日中韓首脳会談「三方一両損」宿泊ホテルで意地悪、慰安婦問題で作戦負け、空威張り・・・

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   日中韓3か国首脳会議が11月1日(2015年)に韓国で行われた。日本からは安倍首相、韓国は朴槿恵大統領が出席したが、中国からは李克強首相だったのは何となく違和感を感じた。中国では国家主席と首相が役割分担して出席することが慣例になっていることはわかっているが、中国通にいわせると、李首相は中国経済の落ち込みや先の株暴落で権威が失墜し、今や習近平主席の傀儡にすぎないといわれているからである。

   存在感をアピールしようとしたのか、李首相は会談で「一部の国の間でいまだに深い理解が成り立っていない」と日本を批判するなど、高圧的な態度が目立ったような気がした。

   朴槿恵大統領と安倍首相の『対決』はどちらが勝ったのか、『週刊文春』『週刊新潮』を見てみよう。週刊文春によれば、中国側が李は公式訪問、安倍は「実務訪問」なのだから、10月30日はすべて中国と韓国の協議に割いてほしいと主張し、韓国側がこれに応じたため、日帰りでの訪韓を予定していた安倍首相は泊まらざるを得なくなったそうだ。

   外務省から報告を受けた安倍首相は、「もう首脳会議はやらなくてもいい。慰安婦問題は解決済みだ」と怒ったという。さらに、ホテルも米国が定宿にしているグランドハイヤットを希望したが満員で、別のホテルにされたという。安倍首相の訪韓は9年ぶりなのに歓迎式典は催されず、李首相はレッドカーペットを朴大統領と歩くなど歓待を受けたそうだ。

   では、会談そのものの評価はどうか。首脳会談の定例化と来年(2016年)の日本開催では一致したが、歴史認識問題では溝は埋まらなかった。<「共同宣言文には「歴史を直視し、未来に向かう」という文言が盛り込まれましたが、日本は当初「歴史を直視し」を後ろに回してくれと主張していた。しかし、結局、中韓に押し切られてしまいました」(官邸関係者)>

   安倍首相は中国と南シナ海問題で舌戦を繰り広げたが、当然ながら歩み寄りはなかった。慰安婦問題では、韓国側が「年内妥結」を主張したが、これは<「慰安婦問題は解決済みであるとして、『(一度決まった)ゴールは動かせない』と言い続けた安倍首相の『粘り勝ち』です」(現地特派員)>

   週刊新潮も<「首脳会談でその(慰安婦問題=筆者注)解決策を引き出せなかった以上、彼女の作戦は挫折したことを意味します」(大手メディアのソウル特派員)>とし、慰安婦問題の解決策を示さなければ会談をしないとしてきた朴大統領が、その問題を脇に置いて安倍首相と会ったのだから、<「韓国に妥協しなかった安倍外交の勝利に他なりません」(産経新聞論説委員・黒田勝弘氏)>と日本側を評価している。

   ともに安倍首相のほうがやや優勢だったといいたいようだが、懸案事項はすべて先送りでは、会ったという事実だけが残った空虚な会談だったと思わざるを得ない。とくに、李首相と安倍首相の間に流れていた厳しい雰囲気は日中関係の難しさをよく表していた。

「集団的自衛権」さっそく米軍の鉄砲玉!フィリピンン軍と南シナ海防衛の共同訓練

   週刊文春は米中関係も難しい局面に入り、日本はこれから厳しい選択を迫られることになると警告している。それは、米中首脳会談直後に、オバマ大統領が下した判断から生じた。オバマは習が「南シナ海ではわれわれは一歩も譲歩するつもりはない」といい放ったことで、ハワイに司令部を置く米太平洋軍の海軍大将に「南シナ海での『航行の自由作戦』を承認する」許可を与えたというのである。

   横須賀を出航したイージス艦「ラッセン」に「南シナ海を北上し、中国の人工島の12カイリ内を通過せよ」という指令が伝えられ、10月27日に「ラッセン」はスビ礁やミスチーフ礁など、中国の人工島の12カイリ内を1時間ほど通航したのだ。

   中国海軍は艦の後方を駆逐艦と巡視艦の2隻で追尾し、中国国防省が米国のやり方を強く非難したことは記憶に新しい。だが、これから長期化するであろう米中の睨み合いで、米国が強く期待するのが日本の役割分担だと週刊文春はいう。先に訪日したフィリピンのアキノ大統領と安倍首相の間で、将来、自衛隊によるフィリピン駐留を見据えた訪問軍地位協定が確認されたという。その3週間後に、海上自衛隊鹿屋基地所属のP3C哨戒機と隊員20人がフィリピン西部の島で比軍と共同訓練したそうである。ここから中国が埋め立てを進める南沙諸島までは300キロほどしか離れていない。

   米国は南シナ海での哨戒活動に日本も加わるよう盛んに求めているそうだが、そんなことをすれば丸腰でヤクザの事務所へ乗り込むようなもので、<「国民の十分な議論のないままに水面下でリスクのある計画が進んでいくことには疑問も感じます」(海上自衛隊関係者)>というのも当然である。

   アメリカの鉄砲玉として日本の自衛隊が使われる。そんな悪夢が現実のものになる日が近づいている。

「マンション杭工事」危ないのはどこだ?支持地盤深い大宮、新浦安、北千住・・・

   三井不動産レジデンシャルが販売した「パークシティLaLa横浜」の杭打ち偽装『事件』は燎原の火の如くひろがり、他の不動産会社にも飛び火している。週刊新潮は「今から『自宅マンション』を点検できる完全ガイド」を巻頭から特集しているが、いま住んでいるマンションの杭打ち偽装を調べるためには相当なカネが必要で、とても一人でできるものではない。迂遠だが、週刊新潮が首都圏の地盤の深度を表した「地盤マップ」を掲載しているので、これを見て、自分の住んでいるところは支持層がどれぐらい深い所なのかを知ることはできる。

   20メートル以上あるところでは一応疑ってみたほうがいいという。私が住んでいる中野区は12メートル、東京駅周辺は17メートル、東京スカイツリーのあたりは29メートルだそうだが、越谷レイクタウンは49メートル、北千住は49メートル、大宮は50メートル、豊洲は41メートル、新浦安は55メートルと、相当深いところがある。

   浅いと思っているところも起伏があるので、心配ならマンション販売時のパンフレットや竣工したときの資料が手許にあれば、杭の長さが10~20メートルといった表記になっていないかを調べるといいという。同じ建物でも杭の深さがバラバラということは傾斜地に建っているということだから、気をつけたほうがいいそうだ。

   そんなことをいわれても、わかったからといってどうするのか。それでも知りたい。そんなアンビバレンツな感情にマンションの住人たちは襲われているに違いない。

早くも来年の経済予測!株価1万5000円割れ、1ドル100円、消費税10%断念・・・

   『週刊現代』は「日本で1番早い2016年景気と経済大予測」を特集している。見出しを並べてみよう。「株価は8月に一気に1万5000円を割る」「円は1ドル100円台に」「中国経済はどんどん悪くなる」。よって「消費税10%は結局、導入できない」ことになるというのだ。アベノミクスは完全に失敗したということである。

   三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査部長、鈴木明彦氏がこう解説している。<「日本の景気回復は前回の消費増税があった14年春に終了していたというのが、私の見方です。増税に加えて、さらに根源的な問題として輸出が伸びていません。輸出競争力の低下に海外景気の減速も加わり、円安で輸出金額が増えても輸出数量は増えない。これでは景気回復のエンジンが動くはずがない」>

   元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏も消費増税は現実的には不可能だと見ている。<「打つ手と言えば、日銀が向こう3か月くらいで若干の金融緩和を行い、政府が年明けに景気対策の補正予算を組むくらいしかない。それですぐさま物価が上昇したり、実感できるほど景気が回復したりすることはないでしょう」>

   安倍政権はお先真っ暗のようである。

NHK「クローズアップ現代」3月打ち切り?安倍首相のお友達・籾井会長が嫌ってるらしい

   その安倍首相と『お友達』の籾井氏が会長を務めるNHKで大きな動きがあるようだ。NHKの良心とまでいわれる「クローズアップ現代」を打ち切りにしようという動きが加速していると週刊現代が報じている。<「NHK幹部の間で、『クロ現』は来年3月末で打ち切りになるという方針が大筋で決まったようです。また同時に、7時からの『ニュース7』の放送時間も短くし、現在の30分を15~20分にするという案が出ている」(NHK職員)>

   クローズアップ現代の打ち切り話は10年ほど前から局内で取り沙汰されていたという。それが安倍政権下になって再燃し、具体化したというのである。<「報道局の職員は抵抗していますが、止められそうにない」>そうである。

   安倍首相の傀儡・籾井会長が動いているのは間違いないだろう。今年2月までNHK経営委員会委員長代行を務めていた上村達男・早稲田大学法学部教授は「NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか」(東洋経済新報社)という本を上梓した。上村氏はこう語っている。<反知性主義の人物の特徴は、「話し合いや議論では、自分は勝てない」と自覚しているので、「オレは絶対に正しい」と強弁し、人の意見を聞かず、不都合になると怒リ出すこと。籾井会長は、このすべてに当てはまる。(中略)何でも理詰めで決めるべきだ、と言いたいわけではありません。しかし、世の中には最低限守らなければならないルールや、しかるべき地位の人物が、身につけておくべき徳というものがあります。
   法曹界からの反発や、国会での正しい手続きを無視して法案採決を進める安倍総理と、他人の意見を聞かない籾井会長の間には、「反知性主義」という共通点があるように思えてなりません>

   知性ばかりではなく、メディアの役割が何たるかも知らない人間が、自分の好みだけで優れた番組を終わらせようとするなら、NHKだけではなく、全メディアが批判の狼煙を上げなくてはいけないはずである。

   しがない雑文書きの私だが、自分の持ち場から「クロ現をやめてはいけない」と大声を上げよう。いまNHKの存在意義と、そこにいるジャーナリストたちの矜持が問われている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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