海の向こうのジョークで済まなくなったトランプ大統領「米軍に駐留して欲しけりゃ日本はもっとカネ払え」

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   アメリカ大統領選の共和党候補者選びでトップを突っ走る実業家のドナルド・トランプ氏(69)は、ニューヨーク州と東部5州の予備選でも圧勝して、指名獲得に必要な代議員総数の過半数(1237人)獲得に向け大きく前進した。異色な候補者がなぜ支持を集めているのか、トランプを良く知る側近やビジネス界の大物はこう語っている。

   側近のジョージ・ロンバルディは、トランプが大統領選挙立候補をにおわせたのは前回の大統領選のときだったという。しかし、「共和党は相手にしないで、単なる宣伝と思ったらしい。トランプは腹を立てた。その後、ロムニー候補支援に回ったが、現職のオバマ大統領に惨敗した。こうなったら自分が立候補しなければと確信したのだ」という。その2週間後、トランプは『アメリカを再び偉大にする』(MAKE AMERICA GREAT AGAIN)という標語を商標登録した。いま盛んに使っているスローガンだ。

選挙参謀の巧妙な選挙戦略「労務者の不満を彼らの言葉で煽れば支持集まる」

   大きなダメージに繋がりかねない過激な発言を繰り返すのは、周到に準備されたうえでの発言だという。昨年(2015年)6月の大統領選出馬表明の演説では、「メキシコは問題ある人物を(米国に)送り込んでいる。国境に壁を作り建設費を払わせる」。米国内でイスラム系アメリカ人による銃乱射事件が起きると「イスラム教徒の米国への入国を全面かつ完全に禁止する」

   昨年8月まで選挙参謀を務めたサム・ナンバーグは、こうした過激発言について、次のように裏話を明かした。「数々の発言はいかに大衆にアピールするかを検討した結果だ。トランプはインテリですが、労務者と同じ話し方をします。彼が投票してもらいたい人たちです。トランプは移民問題が争点と見て強硬派の立場を取りました。そうすれば一定の有権者が確実に支持してくれますから」

   ゲストのデープ・スペクター(放送プロデューサー)は「『お前はクビだ』という名セリフがテレビ番組で有名になりましたが、出発点から知名度が高かった」という。

   鎌倉千秋キャスター「知名度があることと、(共和党が)推すのは同じですか」

   デープ「「本人が出たいから勝手にやっているんですね。形だけの共和党で、縛りも何も無視しているので、前例のない大統領選だと思います」

政治家、知識人、大企業エリート、メディア攻撃で「庶民の味方」演出

   慶応大の中山俊宏教授はトランプ旋風をこう見ている。「もともとトランプを生み出す土壌があったんだと思います。アンエスタブリッシュメントが今年の選挙のキーワードですが、これまで物事を決めてきた人たちに対する不信感がバネになっています。ワシントンの政治家、メディア、大学、ビッグビジネス、知識人らですね。これらをすべてが嫌いで、これらを壊してくれるような人を欲する閉塞感があって、そこにトランプがうまくはまったということです」

   揺れ動く米国は日本にとっても他人事ではない。トランプは米軍駐留で日本にさらなる負担増を求める発言もしている。早晩消えると見ていた外務省もあわててトランプの政治ブレーンやビジネス界の人脈などを調べ始めているという。

モンブラン

NHKクローズアップ現代+(2016年4月25日放送「ドナルド・トランプという男~密着・大統領選 揺れるアメリカ~」)

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