2024年 4月 26日 (金)

英プレミアL・レスター「5000分の1の優勝」陰の主役・岡崎慎司の貢献・・・辛口セルジオ越後が珍しくべた褒め

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   英プレミアリーグ「レスター・シティーFC」の優勝は、「サッカー史上最大の番狂わせ」と呼ばれている。どれほど凄いことなのか。大手ブックメーカーが開幕前に設定した倍率を見ると5001倍だ。これは「宇宙人が見つかる」(1001倍)や「ネッシーが存在する」(501倍)よりも確率は低いということである。

   資金力でもその弱小ぶりは歴然としている。過去13回の優勝を誇るマンチェスターユナイテッドの収入は675億円、優勝4回のチェルシーは546億円だが、レスターはたったの178億円だ。

   杉浦友紀キャスター「こんなことはめったに起こらないですよね」

   セルジオ越後氏(サッカー評論家)「リーグの質を考えたら、これ1回きりかもしれない。それぐらい大変なことが起きたんです」

キーマンはスカウト主任スティーブ・ウォルシュ「低評価の選手が一流に変わる瞬間の醍醐味」

   奇跡はいかにして起こったか。11試合連続ゴール(今季24ゴール)という新記録を作ったジェイミー・バーディー、わずかな移籍金でアルジェリアからやってきたリヤド・マレズ、さらには昨年(2015年)6月にレスターに移籍した日本代表の岡崎慎司らの活躍もさることながら、セルジオ氏が注目したのは意外な人物だった。キーマンとして挙げたのはレスターのスカウト主任スティーブ・ウォルシュだ。今シーズンのスタメン11人のうち10人はウォルシュのスカウトによるものだからだ。ウォルシュはこう言った。

「バーディーのことは8部時代から注目していました。評価の低かった選手が一流選手へと姿を変える瞬間、それこそがスカウトの喜びなのです」

   クラウディオ・ラニエリ監督の影響も見逃せない。強豪チームの監督を歴任しながら、30年のキャリアで一部リーグの優勝経験はゼロ。戦術をコロコロと変えることから「ティンカーマン(下手な修理工)」と揶揄されてきた。11年ぶりに監督復帰したラニエリが心がけたのは選手の自主性を尊重することだった。

「(選手にプレッシャーを与えないため)目標はプレミアリーグ残留と言ってきました。負けることがあっても当たり前。努力を怠らず戦い続けることが重要なのです」

引っ込み思案だった清水エスパルス時代・・・迷い消え豹変

   もちろん、岡崎慎司の貢献も大だ(今季5得点)。岡崎が高校卒業後に所属した清水エスパルスの「報告書」がある。選手の「成績表」みたいなもので、そこにはこうあった。「存在感をアピールするプレーが少ない」「サイドでのスピードが欲しい」。要するに、岡崎はJリーガーのレベルに達していないと判断されていたわけだ。

   そんな選手に何が起きたのか。岡崎が「クローズアップ現代+」のインタビューで答えている。「バーディーを見て凄いなと思いました。(それまでは)チームの勝利に貢献できるなら、俺がゴールを取らなくてもいいやと思っていたんです。その迷いが消えて、俺はストライカーとして生き残ると決めたんです。そこからは他の選手にも『俺はこうしたい』と言っていくことにしました」

   シーズン後半、岡崎へのパスが増え始めた。それを受け、岡崎も貪欲にゴールを狙うようになった。今年3月、優勝の行方を左右する試合で一つの結果を出した。0-0で迎えた前半22分、バーディーからのパスを見事に決め、決勝点をたたき出した。「バーディーがヘッドする瞬間に、そこ(自分が予測していたポイント)に来るだろうと思ったし、信じていた」と岡崎は振り返る。

   杉浦キャスター「視聴者から『辛口のセルジオさんが岡崎選手を認める理由を教えて』という質問がきていますが」

   セルジオ「彼は90分走り切れないくらいもの凄いエネルギーを見せているんですね。そのおかげでバーディーやマレズも活躍できた。チーム優勝の影の主役は彼だったと僕は思いますよ」

ビレッジマン

*NHKクローズアップ現代+(2016年5月9日放送「そして『奇跡』は起きた~岡崎レスター 世紀の番狂わせ~」)

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