2024年 4月 26日 (金)

<ディアスポリス 異邦警察>(TBS系)
無気味なアウトローが跳梁する「裏都庁」知事、警察、銀行もあって表社会に対抗!松田翔太も危ない署長

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   オープニングとエンディングの映像がすごくスタイリッシュ。ドラマ全体にも音楽的な疾走感が溢れている。

   主役・久保塚(松田翔太)がハードボイルドそのもののキレのあるカッコよさを体現している。原作のコミックは読んでないが、きっと松田は原作のキャラクターをかなり自分のものにして表現しているのだろう。松田自身が熱望していた役だと聞く。

「とと姉ちゃん」チャラい板前・浜野健太はボコボコにされていっつも血だらけ

   その他の人物もいかにもコミック風で、演じる役者もかなりユニークだ。顔を見て「まだ生きてたの?」と思わず言っちゃった伝説的な怪人、康芳夫が裏都庁の知事役で出ているのも驚きだ。暗黒プロデューサーの異名どおり気味悪さ全開。

   そのボディーガードで半円型のショーテル(エチオピア刀)二刀流を使う美女イサームにはセネガル人の父を持つモデル、マリーが出演。抜群のスタイルを黒ずくめの衣装に包み、きらめくショーテルを両手に振りかざすアクションは迫力・魅力満点だ。

   第1・2話で不法滞在者を狙った腎臓強奪事件の犯人を演じた福島リラも怖かった。何せ相手を麻酔で眠らせて、その間に腹を切って腎臓を摘出しちゃうんだぜ。で、その腎臓を売るのかと思ったら猟奇犯なのよね。

   殺し屋・黒長臂(ハッチョンベイ)の中村達也はドラマーだが、独特の血も涙もない存在感には血も凍る。裏都庁の助役・阿(アー)役の柳沢信吾は八の字のタレ眉を消して、いつもの軽いコミカルなキャラクターから一変、何をするかわからない狂気を感じさせる。元銀行員で久保塚の手下役の浜野健太は容赦なくボコボコにされて、いっつも血だらけ。朝のNHK連ドラ「とと姉ちゃん」でも活躍中の異色俳優に注目したい。

密入国者、不法滞在者が行き交う猥雑な無法街

   と、とんでもない人物ばかり登場するのは、密入国や不法滞在外国人社会で苦労して生き抜いている者たちが、表社会の行政や警察に頼れないので自分たちで「異邦都庁(裏都庁)」を作り、警察、銀行、病院などを運営しているという話だからだ。そして「異邦警察」の署長が松田翔太扮する久保塚というわけなのだ。

   難民申請が通らず、やむなく不法滞在になって貧しい生活を強いられている人々、ブローカーに騙されて命まで狙われる羽目に陥った家族、あるいはいい加減な留学生など、表社会と同様、善人、悪人、真面目、不真面目が入り乱れてさまざまな人間模様が展開する。ただ法律に関係ないからすべてがむき出しで苛烈だ。いろいろな国籍、あるいは国籍不明の人物が行き交う猥雑な街の映像もいい。

   夏の映画公開と連動したドラマである。映画、観に行こうかな。あ、狙いにはまっちゃった。でも、こんなバイオレントな映画、オバサン友達は誰も一緒に行ってくれないだろうな。(火曜日深夜1時30分放送)

(カモノ・ハシ)

文   カモノ・ハシ
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