2024年 4月 27日 (土)

涙が出るほど感動した「オバマ広島スピーチ」任期満了までに核廃絶の具体的道筋示せ

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   <全人類に向けた歴史的な演説――。現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪れたバラク・オバマが語った言葉は、名実ともにそう呼ぶのにふさわしい>(『ニューズウィーク日本版』6月7日号)

   5月27日(2016年)にオバマ大統領が広島を訪問した。広島平和記念館での滞在は10分間と短かったが、そのあとに行った17分間のスピーチと、2人の被爆者との握手、ハグする姿に涙が出るほど感動した。大統領就任早々行った核廃絶宣言、そして任期を終える間近に行った広島でのスピーチは、私も歴史に残るものになると思う。

   何にでもケチをつけたがる週刊新潮は、オバマは核兵器なき世界を目指す勇気を持たなければいけないと語ったのに、「核発射ボタン」を広島に持っていったのは「自己矛盾だ」と批判している。<「アメリカ大統領は、つねに核兵器の発射命令を出せるよう指揮通信装置を携行しています。この正式名称は『大統領非常用手提げカバン』、通称『核のフットボール』と呼ばれています」(軍事アナリストの小川和久氏)>

   このカバンで作動できる米国保有の核兵器の威力は、広島型爆弾(15キロトン)の2万2000発分に相当するという。<「オバマさんが広島に滞在した1時間40分ほどの間、広島が実質的な『発射基地』になっていたわけです。(中略)政治家には言行不一致が多いとはいえ、非常にみっともないと思います」(平岡敬・元広島市長)>

   こうした考えや、被爆者の中には今でもアメリカが憎い、謝罪せよという人たちがいることも事実である。本国へ帰ったオバマ大統領は、広島、長崎へ思いを馳せ、悲劇を2度と繰り返さないために、核廃絶への具体的な道筋を示してから大統領を辞めるべきである。

米情報機関内部告発スノーデン「日本の秘密保護法は米国がデザインしたもの」

   ジャーナリストの小笠原みどり氏が「スノーデン独占インタビュー」をサンデー毎日に掲載している。スノーデン氏はロシアに亡命中だから、インタビューはネットを通してである。要点をかいつまんで紹介しよう。

   <ここでスノーデンは驚くべきことを語った。「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はそのために米国がデザインしたものです」と。NSA(アメリカ国家安全保障局=筆者注)の監視網を日本で法的に認めさせると同時に、拡大するために。「もちろんこれはけっして公では語られないことです」と彼は続けた。「けれどNSAには100人程度の法律家がいて。各国の法律の枠組みによって、どの程度まで諜報活動が許されるのかを分析しています。(中略)

   日本は比較的情報がオープンな国で、例えばあなたのようなジャーナリストが政府の秘密を暴いたとしても、これまで極端な罰則はなかった。でも今回の秘密保護法で、国の秘密を漏らせば(最高で)懲役10年の罰則になりませんか?」

   罰則によってNSAの監視システムを公衆の目から隠すことができるから、米国は「秘密保護法をつくれば、もっと機密性の高いトップシークレットもあなたがたと共有できるようになりますよ」と、日本側に持ちかけたというのだ。スノーデン氏は、国の安全のために地球上すべてのコミニケーションを傍受することが許されるのか。この方法が正しいのかが問われるべきだと指摘する。

   日本の報道機関もこうした諜報の対象になっているのだろうか? と問うと、

   <「これは中国やロシアで起きていることではありません。表現の自由、報道の自由を掲げた西側自由主義、民主主義国で起きていることです。とすれば、なぜ日本のジャーナリストだけが除外されるのでしょう? 誰ひとり例外なく傍受され、同じバケツに入れられる。それが無差別監視です」>

   6月4日(土曜日)に東京大学でスノーデン氏のインターネットを通じての講演「監視の『今』を考える」が行われる。

消費税先送り・ダブル選回避で安倍政権に深刻な亀裂「麻生・谷垣VS菅・創価学会」

   安倍首相は消費税10%増税を先送りし、ダブル選も行わないと発表した。アベノミクスが完全に失敗したということを自ら認めたのだが、先送りする理由作りにサミットを利用したと、大きな批判が巻き起こっている。

   週刊新潮は各国首脳の前で安倍首相がリーマンショックの前夜に似ていると配ったペーパーは、総理秘書官である今井尚哉氏が関わって作り上げた「統計の不適切な利用だった」(シグマ・キャピタルの田代秀敏氏)のである。そもそもリーマンショック前に迫っているなら、アメリカが利上げの準備を始めるわけがないし、5月23日に内閣府が発表した「月例経済報告」では、世界経済は全体として緩やかに回復していると書いているではないかと難じる。

   しかし、サミットを無事に終え、消費税引き上げ延長を決めた安倍の内閣支持率は55・4%(産経新聞)にまで上昇している。それなのにダブル選を行わないとしたのはなぜなのか。新聞を読み比べてもよくわからない。週刊文春は、増税延期なら衆院を解散して信を問うべきだとする麻生太郎副総理兼財務相、それに同調する谷垣禎一幹事長、公明党の支持母体の創価学会幹部と「解散はない」という見解で一致していた菅義偉官房長官との立場の違いが明確になって、政権発足以来最大の危機を迎えていると報じている。麻生氏は菅氏にこういったという。「なんでいつも学会の味方ばかりするんだ」

   安倍首相はそれまでも「解散は理屈を超えてやるものだ」と周囲を煙に巻いていたらしい。首相と最も過ごす時間が長いといわれる今井秘書官も、「参院単独で確実に改憲に必要な三分の二を取れますか。ここを逃すと、在任中の改憲が難しくなります。ダブルなら衆参ともに三分の二に届きます」などと進言し続けたそうだ。

   週刊文春によれば、麻生氏は安倍政権を支える、菅氏は安倍以後を見据えているという。この2人の考えの違いが、今後の安倍政権の行方を左右するのだろうが、ともに国民への目線は欠けている。不可解なダブル選回避はアベノミクスの先行きへの不安からか、安倍の病からくる「弱気」なのか。どちらにしても、参議院選はこれほどひどい政権運営をしてきた安倍政権を容認するのか、否定するのかを問われる選挙になる。

「撃ち方やめだ」舛添知事守る都議会自民党!都民の怒り参院選で爆発させろ

   週刊文春の舛添要一都知事追及だが、どうやら弾が尽きてきたように思える。今回は舛添都知事の身内のゴタゴタ、とくに母親の介護をめぐる話だが、これまでも報じられてきたことの蒸し返しである。

   舛添氏は「私の政治家としての原点は。母の介護です」といって憚らない。98年には母親の介護体験を綴った「母に襁褓をあてるとき」(中公文庫)を上梓しているが、身内からは「マスコミに出せるような母親じゃない」といっていたのに、認知症になった途端、テレビに出して売名に利用しようとしたと批判されている。

   当時、母親が入院していた介護施設を運営する法人の理事長(舛添氏の高校の先輩)は、この本について<「話題になるように、想像もたくさん入れた小説のようなものでしょう。オーバーに書かないと売れませんからね。題名にもあるオムツ(襁褓)ですが、舛添が施設で母親にオムツをあてるなんてことはありません。全部職員がやりますから。舛添自身は、のちに『この本のおかげで厚労大臣になることができた』と話していました」>と話している。

   母親が亡くなったことも親族には知らされなかった。2011年に亡くなった舛添の姉はこういい残したという。「これまでのウソが暴かれる前に、自分から身を引いたほうがいいのに。遅かれ早かれ、いつか自滅するときが来る」

   その時は刻々と近付いているように思うのだが、週刊新潮では、都議会自民党のドンといわれる内田茂都議が「いったん、撃ち方やめだ。当分様子見にする」と舛添に伝え、知事続投を認め、都連として彼を守ることにしたと報じている。私を含めた多くの都民の心情は「舛添やめろ」だが、もし自民党が舛添降ろしをやらないのなら、都民の怒りは参院選で自民党にも向くはずである。

「貴乃花部屋」慣れ親しんだ東京・中野新橋から引っ越し・・・力士育てられない通い親方

   さて、お次は週刊ポストのスクープ。貴乃花の部屋は東京・中野区の「中野新橋」にある。この部屋のルーツである藤島部屋がこの地に根を張ったのは82年2月だというから、30数年前ということになる。

   若貴フィーバーの全盛期は、優勝パレードに6万人に近い見物人が部屋周辺に集まり、パレードの沿道2キロ以上を人の波が埋め尽くした。部屋のすぐ近くには「てっぽう」といういい肴と酒を出す割烹がある。ここは当時、貴乃花や若乃花を取材しようと、新聞記者や週刊誌記者の溜まり場のようになっていた。

   だが、いろいろのゴタゴタの末、貴乃花は部屋を引き継いだが、金銭的には苦しい時期が続いたようだ。それに、貴乃花はそこには住まず、都内の豪邸から通う「通い親方」であったことも影響したのか、力士が育たなかった。

   貴乃花部屋のある土地と建物は貴乃花と親しい人間に売り、格安の賃料で借りていたそうだ。だが、週刊ポストによれば、昨年、その人間から「退去してくれ」といいだされたという。そこで貴乃花は決断を下す。中野新橋から移転して、自宅を担保に自宅兼相撲部屋を建設しているというのだ。

   何となく神がかったところのある貴乃花だが、ここで心機一転して、天下を取る相撲取りを育て上げ、再び、相撲ブームを巻き起こしてもらいたいものだ。

   中野の住民としてはチョッピリ寂しい気がするが、久しぶりに「てっぽう」へ行って、主人と昔話でもしてこようか。

北海道「小2男児置き去り」捜査当局は怒り心頭!ウソの届け出や不明時の服装あやふや

   5月28日に北海道函館市から車で1時間ほどの七飯町の山中で、両親に置き去りにされた小学2年生・田野岡大和クン、7歳がこの原稿を書いている時点(6月2日)でも見つかっていない。

   週刊文春によれば、父親は情報・通信システム系の会社に勤めているようだが、両親ともに厳しすぎるという評判もない一家だという。だが、両親は捜索願を出すとき、最初は「山菜採りの最中に行方が分からなくなった」と説明していた。また、失踪時の大和クンの服装も二転しているため、捜索は混乱して、幹部たちは怒り心頭だそうだ。

   なぜそんなことをしなくてはならなかったのか。そこにこの「事件」を解くカギがあるように思うのだが。無事を祈りたい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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