脳出血リハビリの宮川大助「介護ロボット普及させよう」導入進まない日本・・・半身不随が歩けるようになった!

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   漫才師の宮川大助が補助ロボットをつけて登場した。大助は脳出血で倒れ、舞台に復帰したが、松葉杖をついてもなかなかうまく歩けない。「初めて自転車に乗ったような。まだ支えてもらわないとダメですね」

   ところが、ロボットの助けで半身不随から自力歩行を取り戻した人がいた。青森・三戸の久慈実さん(68)は4年前に脳出血で倒れ右半身不随になったが、ロボットをつけてリハビリを半年続けると、自力で椅子から立ち上がれるようになった。いまはロボットなしでも杖をついて歩ける。

手足の動き補助、食事・トイレ支援、話し相手・・・

   補助ロボットは日本の自動車メーカーが二足歩行ロボットの技術を応用して作った。患者の筋肉が出す微弱な電流をセンサーが感知して、リズムや力加減を判断して脚の振り上げを助ける。むろん効果は人によるだろうが、大助は「再び歩けたという実感がわかる」という。

   京都・精華町にある研究所では、コミュニケーション型のロボットを作っている。対話ができるお話しロボだ。認知症の患者に笑顔が増えたなど改善が見られたという。まだ症例は少なく、なお実証実験が必要だ。開発者の山崎スコウ竜二さんが大阪・茨木市の高齢者施設を訪ね、協力を求めた。しかし、施設長は「着眼は面白いが、実際には専属のスタッフが必要になる。その余力はない」と断られてしまった。

   介護ロボットは実に多様だ。手や足のリハビリを助けるもの、食事やトイレを助ける生活支援タイプ、お話しロボットなど、4月(2016年)に東京で開かれた福祉機器展示会には500以上のメーカーが出品した。自動車、センサー関係、IT、住宅メーカーなどが参入している。介護機器の市場規模は2020年に543億円、2035年は4043億円と予測されていて、現在の25倍だ。

   ただ、日本では実際にこれらを導入している施設となるとわずか1・3%にすぎない。「エーッ、ほとんど使ってないということじゃないの」と大助は驚く。施設が導入をしぶる理由は「誤作動の不安」「コストがかかり過ぎる」「人手が足りない」の3つだという。大阪工大の本田幸夫教授は「ロボットは100%安全とはいえません。センサーの誤作動は人を傷つける恐れがあります。しかし、不具合を見つけて改良するには、実証実験が欠かせないんです」という。

ロボ介護の先進国デンマークで実証実験

   日本では十種実験が進まないため、メーカーは介護ロボットの先進国デンマークで開発・研究を行っている。日本同様に少子高齢化が進むデンマークは早くからロボット導入を進めてきた。海外の機器の実証実験も国策として引き受けている。国立の介護職員養成機関では機器を使えないと資格を出さない。街中にさまざまな介護機器を実際に試してみられるモデルハウスがあり、若いうちからここへ通う事で国民がロボットのいるライフスタイルを身につけられるのだという。

   本田技研工業の技術者の佐藤寿弘さんが訪ねた高齢者リハビリ施設では、興味津々の介護師が集まっていた。女性が「HONDA」とマークの入った歩行補助ロボットをつけて歩き回る。施設では「ロボットができること、人間ができることをうまく組み合わせることだ」と試験的使用が決まった。

   大助「職員の人が興味を持っているんですね。日本と随分違うなあ。一般の人も積極的だし。杖だと思ったらいいのではないですか、あくまで補助なんだと」

   デンマークでは日本の12社が実証実験中という。それって、恥ずべきことじゃないのか。佐藤さんは「車と違って、開発しても自分たちでテストができないんですから」という。NHKが視聴者に行ったアンケートでは、800件の回答の72%がロボットの介護を「受ける」と答えたという。「福祉・介護」は参院選の大きな論点だが、こうしたテーマは視野に入っていない。

NHKクローズアップ現代+(2016年6月23日放送「また歩けた!認知症も改善!期待の介護ロボット」)
文   ヤンヤン
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