この夏は注意!人食いツキノワグマが観光地にも出没・・・住宅街の駐車場や人込みも平気

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   秋田でタケノコ採りの4人がクマに襲われて死亡した。いずれもクマに食べられた跡があって、人食いグマが出現した可能性が否定できない。全国的にクマの目撃情報が増え、人間のすぐそばまで来ていることも分かった。いったい何が起こっているのか。

熊よけの鈴に寄ってくる習性

   5月21日(2016年)に秋田・鹿角市の青森県境に近い山林で、タケノコ採りの男性(79)が遺体で見つかった。「体は見せねがった。見ねぇ方がいいと。内臓も心臓も噛んだ跡があるって言ってた。痛かったべなと思って」と妻は語った。

   その翌日、1キロ離れたところで78歳の男性の遺体が見つかった。頭と腹が食べられていた。さらに29日に2件の現場から3キロ離れたところで、鈴を鳴らしながらタケノコ採りをしていた78歳の女性が、背後からいきなり尻を噛みつかれた。女性はとっさにクマの鼻を蹴って助かったが、これまでにはない行動だった。

   ツキノワグマは臆病で、鉢合わせした時でもなければ人を襲うことはないと考えられてきたからだ。鈴を鳴らすなどして警告すれば、クマの方が避けるとされていた。また、主として草食で肉はあまり食べないはず。それが、鈴を鳴らしている人に噛み付いたのだ。研究者は「人間を食べ物と認識した可能性がある」とみた。人食いグマだ。

   その後、立て続けに2人の犠牲者が出たが、遺体は全身の損傷が激しかった。4人目の女性が発見された直後、付近で1頭のクマを猟友会が射殺したが、胃の中はほとんどタケノコで、人体の一部はあったが、遺体の損傷の激しさとは一致しなかった。女性を最初に襲ったクマは別の可能性が強い。現地では厳戒態勢が続いている。

   本当に人喰いグマはいるのか。東京農大の山崎晃司教授は「断言できないが、可能性はゼロではないでしょう」という。クマの生息域はこの35年で大きく拡大した。1978年には山岳地帯だけだったのが、近年は人が住んでいる地域に大きく広がっている。石川・七尾市の石油備蓄基地内、福島のサーキットや住宅街の駐車場の防犯カメラがクマの姿が捉えている。

   山崎教授「かつては、里山が人とクマを隔てていたが、里山の管理ができず草や低木が生い茂って緩衝地帯がクマの生活圏になってしまったのでしょう。残飯などクマを誘うものをなくす必要があります」

長野・軽井沢でもクマ対策「電気柵」「ゴミ箱密閉」

   多い時は年に30人ほどがクマによるけが人をでる長野県は、さまざまな対策を講じている。信州大の泉山茂之教授は捕獲したクマにGPS発信器やカメラをつけて山奥に放し、行動を追った。クマは本能的に開けた場所を嫌うが、山林のやぶ伝いに人里に下り、小学校近くのトウモロコシ畑に潜んだりしていた。山林の下草を刈って見通しを良くしたら出没しなくなったという。

   軽井沢町のNPO「ピッキオ」は町の委託で、「電気柵で境界を作る」「ゴミ箱の蓋を開けられないようにする」「クマを見ると吠える犬(ベアドッグ)の定期パトロール」「山に放つとき、銃を撃ったりして人の怖さを学習させる」などを徹底させたら、出没やゴミ箱被害が激減したという。

   山崎教授「クマの存在には敬意を払いたい。クマがいるのは森が豊かな証拠ですから。クマが生きられるから他の動物も生きられるんです。クマに出合わないためには、鈴、ラジオ、手を叩く、声を出すです」

   しかし、人喰いグマは鈴の音に逆に寄ってくるという見方もある。ゲストのパトリック・ハーラン(タレント)はクマが多いアメリカ・コロラド州出身だ。「クマは多いけど、人身事故はほとんどない。みんな銃を持っているし」と話す。銃を発射され、人は怖いという学習効果になっているのだろうか。

NHKクローズアップ現代+(2016年6月30日放送「追跡!『人食いグマ』~もうヒトを恐れない?~」)

文   ヤンヤン
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