自衛隊「駆けつけ警護部隊」南スーダン出発!国連も二の足踏む部族内戦

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   南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で自衛隊の主力部隊120人が30日夕(2016年11月)、新たに「駆けつけ警護」任務を付与されて首都ジュバに向けて出発した。憲法上の制約を残したまま中途半端に足を踏み入れたため、駆けつけ警護はかえって難しい判断を強いられそうだ。新任務を付与された自衛隊はどのような事態に直面する可能性があるのか。

7月には首都で死者270人の銃撃戦

   国連PKO活動は紛争地域の平和維持を図る手段として、停戦監視や紛争の拡大防止を任務にスタートした。ところが、平和維持の困難な地域での活動が増え、避難民や国連スタッフを保護するために実力行使も辞さない対応が求められるようになった。

   南スーダンの首都ジュバでも今年7月、大規模な戦闘が起き270人以上の死者が出た。5年前の独立以来くすぶり続けてきたキール大統領率いる政府軍(最大部族のディンカ族)と対立するマシャール前副大統領率いる反政府勢力(第2の部族のヌエル族)の争いだ。戦闘で兵士がNGO(国際協力に携わる非政府組織)施設に押し入り、地元ジャーナリストらが殺害され、複数の女性スタッフが性的暴行を受けた。現場にいた男性は国連PKO部隊に何度も救出を求めたが来ることはなかったという。

   この時にベッドの下から撮った映像には、武装勢力ではなく部屋を物色する政府軍の兵士だった。「『ヌエルはどこだ、ヌエルはどこだ』と怒鳴り散らしていた。殺害されたジャーナリストはヌエル族で、頭に銃弾を2発、倒れた後も4発の銃弾を浴びせられた」と話す。「国連PKO部隊が助けに来てくれると信じていた。援助関係者の保護も任務だからです。強硬手段を使ってでも守ってほしかった」という。

PKO経験幹部「治安状況は予断許さない」

   なぜ国連PKO部隊は救出に駆け付けなかっただろう。国連は「厳しい状況下でも任務を遂行すべきだった」と批判し、当時PKO部隊を率いていたケニア人の司令官を解任した。ケニア政府は司令官に落ち度はないと反発し、「PKO部隊が大規模な政府軍と対峙することになり、大きな犠牲が出かねなかった」と主張している。

   ゲスト出演した元国連政務官の東大作・上智大准教授も「南スーダンは国連PKO部隊が文民保護をどこまでできるか難しいところがありました。理想と現実のギャップ、構造的な問題が露呈してしまった」と指摘する。

   伊東敏恵キャスター「7月のような状況になったとき、自衛隊は駆けつけ警護をやることになるのでしょうか」

   NHK社会部の宮原修平記者「防衛省は7月のような大規模な武力衝突では自衛隊が対応するには難しいとしています。自衛隊は施設部隊として派遣されているので、駆けつけ警護を行うのは極めて限定的場面といっています」

   伊東「だとすると、具体的にどのような場面で駆けつけ警護を行うのでしょう」

   宮原「他国の部隊が周辺にいない極めて限定的場面、たとえば自衛隊の部隊が道路整備をしているすぐ近くで、国連のスタッフが襲撃され救出要請があった場合などです。ただ、PKOを経験した幹部によると、限定的とはいえ、治安状況は予断を許さない状況なので、難しい判断を迫られる恐れもあると話しています」

   ほとんど知らされていないが、3年前に自衛隊の宿営地のごく近くで激しい戦闘があり、隊員が小銃に弾丸を込め、いつでも射撃できる体制を取ったり、撤収が真剣に検討されたことがあったという。政府軍対反政府武装勢力というより部族同士の争い。対立が激化する中で、いつまで自衛隊PKO部隊の活動と隊員の安全を維持できるか疑問が残る。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代+(2016年11月30日放送「変質するPKO 自衛隊新任務の行方は」)

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