2024年 4月 26日 (金)

日本経済「日はまた昇る」

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日本経済「日はまた昇る」
日本のバブル経済崩壊を予言した「日はまた沈む」
 

日本経済の先行きに強気な見方が広がっている。そうした中で、「日はまた沈む(The Sun Also Sets)」の著者で、英国エコノミスト誌編集長のビル・エモット(Bill Emmott)氏が来日して、朝日日経など新聞各紙のインタビューに応じ、「日本経済は完全に復活し、長期的な成長が見込まれる」との見方を示した。05年10月8日発売のエコノミスト誌は「日はまた昇る」と題した日本特集を掲載した。筆者は、かつてのベストセラー「日はまた沈む」のエモット氏。復活の根拠として、同氏は個人消費と収入の増加を挙げ、「今後は内需主導による成長が可能だ」としている。バブル後15年も続いた調整期は終わり、不良債権は処理され、企業は資本の浪費をやめ、過剰雇用も是正され、政治も合理的になった、という評価だ。さらに、「日はまた昇っている。生産性の向上によるもので、暖かく強力な陽の光が、今後10年にわたり日本を覆うことになるだろう」と述べた。いわば、日本経済の先行きに太鼓判を押した形だ。

  日本のバブル崩壊を最初に予告したのは、1990年に出たエモット氏の「日はまた沈む」だった。その後、日本経済は停滞し、日本国内ではマスコミも経済評論家も「日本はもうだめだ」という主張一色になっていった。それは、つい最近まで続いた。 ただ、外国では必ずしも悲観論ばかりではなかった。例えば、2002年3月に日本で翻訳が出版された「超大国日本は必ず甦る(The Re-Emerging Japanese Superstate in the 21st Century)」(ハドソン研究所(Hudson Institute)著)。序文には「立ち直りの歩みは遅々として、もどかしく思われるかもしれない。しかし、日本が進もうとしている道は上り坂に向かっている。(中略)日本の落日はない。日はまた昇る」と記し、日本経済衰退論に根拠がないことを冷静に論じている。
  バブル崩壊も、日本の復活も、常に外国のマスコミや評論家から最初に真実を指摘される、という方程式は変わっていない。今回も、エモット氏の予測をきっかけに日本中が「楽観一辺倒」になる可能性は強い。そして、今都心の地価が急上昇し、株価も上昇基調に転じて、「バブル再来の危険」がささやかれているのは皮肉だ。

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