2024年 5月 4日 (土)

堀江メール提供 疑惑記者の品格

   民主党の永田寿康衆院議員が議員を辞職する意向であることが分かった。2006年2月23日、新聞、テレビが一斉に報じた。ライブドア前社長の堀江貴文被告から武部勤・自民党幹事長の次男へ資金提供を指示した「メール問題」で、メールの信ぴょう性が疑われたためだ。

   一方、提供者については、週刊誌などの報道が相次ぎ、疑惑記者の取材上のトラブルや「品格」が取り上げられている。

「疑惑記者」が発行する月刊誌に永田議員が登場
「疑惑記者」が発行する月刊誌に永田議員が登場

   週刊新潮は3月2日号で「『謀略メール』を永田議員に渡した『札付き記者』の正体」と題する特集を組んだ。「その人物の名前を仮に北川誠氏としておこう」として、彼が何者かを詳しく披露している。
   年齢は32歳、現在は資本金3,000万円の新興出版社の代表者である、という。
   JINBN編集部では、「北川誠氏」のサイトを突き止め、アクセスを試みた。しかし、トップページ以外は削除されていた。
   以前のサイトによると、この出版社の事業内容は「出版物・電子出版物の企画・販売事業/インターネットならびに携帯電話のコンテンツ企画、制作事業/イベント事業」で 、設立は 2005年9月。代表取締役として「北川誠」氏の名前があり、「オレゴン大学ジャーナリズム学部卒 」との経歴が書き込まれている。

永田議員 疑惑記者の雑誌に登場

   2005年10月に「日本のハイクラス・ダンディズムを追求するライフ・マガジン」という触れ込みで月刊誌も創刊している。毎月15日発行、直接宅配で判形はA4変形、発行部数 25,000部、定価1,500円。
   創刊2号では、「等身大の国会議員たち」というタイトルで30-40代の若手国会議員6人が登場している。その中の一人が、「堀江メール」を暴露した永田議員で、「北川誠氏」と「永田議員」の接点が見て取れる。
   雑誌の目的は「一流の方々を応援していきたい」ことらしく、「国会議員というと余り馴染みのない方々がほとんどだと思いますが、若く当選歴も少ない議員の方々とお話してみると、案外普通の方々だったりします」という感想を掲載している。ただ、サイトを見る限り月刊誌は2号以降発行されていないようだ。

書いたほとんどが問題記事、というお粗末

   週刊新潮は「北川誠氏」のかかわった「捏造記事」を具体的に示し、週刊誌記者の話として「北川のネタで書いたほとんどが問題記事でした」と結論付けている。
   一方、週刊文春も「永田代議士『自爆』の引き金 "ガセメール"の提供者」という見出しで3ページを割いている。問題の記者について「有力視されているのは、(中略)ほとんど偽造といっていい記事を書いて名誉毀損で訴えられ、前代未聞の損害賠償の支払いを命じられたこともある、いわくつきの人物」とだけしているが、この人物が「北川誠氏」であることは間違いない。
   インターネット上でもこの情報が回り始めている。あるネットメディアは取材記者の話としてこう伝えている。

「北川は、偽造メールをいくつかの雑誌社に持ち込んだが、本人がまったく信用されていないし、メールにも信憑性がないので追い返された。でも、これだけなら、北川の動機ははっきりしている。ギャラですよね。しかし、そのあと、永田に持ち込んだのはなぜか?永田に渡しても一銭にもなりませんよ。永田にメールを渡した理由は何なんでしょうか」

   「北川誠氏」がこうした形で売り込みに回っていた疑いもある。メールが永田氏だけでなく、自民党やマスコミにも流れているのも、そのせいかもしれない。
   さらに、どこまで事実かは不明だが、「本人は今回の件で関係者には、"堀江氏とは懇意で、あのメールで指示を受けていたのは自分。銀行口座ではなく、自分が武部次男に現金を届けた。だから、ガセではない、といっている」などという情報もネット上にはある。
   永田氏は情報提供者の名前は明らかにせず、「友人のフリー記者を通じて接触した」と発言しているだけだ。

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