2024年 5月 3日 (金)

必修漏れで教科書会社 思わぬ"特需"に沸く

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

「増刷なら赤字に」と出版社

   「学校のツケを教科書会社が負わなくてはならないのは釈然としない」(前出の教科書会社幹部)と、喜んでばかりはいられないのが実情のようだ。
各教科書会社は現在、4年ごとの検定作業に追われている。
「来年度以降の見本を制作しなければならないので、緊急増刷が数千部で済むようであれば、見本といっしょに印刷にかけてコストを落とすことは考えられる」(中堅の教科書会社)と話す。

   世界史を扱う、ある教科書会社の社員はJ-CASTニュースの取材に対して

   「近年、教科書業界も寡占化が進んでいて、今回の対応もシェアが高い教科書会社ほど大変です。在庫がはけるといえば聞こえはいいですが、特需というのは言い過ぎだと思いますよ」

と苦笑する。

   文部科学省の集計によれば、高校必修科目の履修漏れがあった学校数は熊本県を除く46都道府県の540校。公立は314校、私立は226校だった。各県別では、公立で多かったのは静岡県の32校、岩手県31校、北海道30校など。私立は大阪府21校、北海道16校、兵庫県13校など。各地の教育委員会の報告を基にまとめたが、なお点検漏れの可能性があるという。
   高校の世界史など必修科目の未履修問題で政府は06年11月1日、70時間(2単位、1時間は50分授業)の補習を条件に卒業を認める方針を維持しつつ、2単位足りない生徒の補習条件を実質的に50時間程度に引き下げることにした。引き下げ方法は各学校長が判断する。

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