2024年 4月 26日 (金)

鳥越俊太郎に聞く(3) マスコミは急激に変わらない

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   「市民記者」中心の「オーマイニュース」というインターネットニュースの編集長になった鳥越俊太郎さんに、マスコミの未来などについて聞いた。
   (聞き手: J-CASTニュース編集長 大森千明)

鳥越俊太郎・オーマイニュース編集長(左)と大森千明・J-CASTニュース編集長(右)
鳥越俊太郎・オーマイニュース編集長(左)と大森千明・J-CASTニュース編集長(右)

大森: ブログなんかを見ると本当に凄いことが書いてあるんですよ。ボクシングの亀田選手の試合が終わった後に、亀田選手の父親が客めがけて、リングから観客席まで降りて行って場外乱闘したというのが、一から十まで実況中継さながらに書いてあったわけです。どのマスコミも書いてないことでね。ボクシングに限らず、細かいジャンルにはそういう人がたくさんいるような気がします。

鳥越: オールラウンドプレーヤーを求めているのではなくて、電車なら電車のことについて詳しい人とか、きっとそういうことが理想だと。自分の仕事に関わることとか、専門的に詳しいとか、経験したこととか書いてもらう。でね、今、書いてもらいたいことがあって。それが税金の無駄遣いについて。日本中の市民記者が、自分の側にある税金お無駄遣いの実例をレポートしてほしいと。

大森: テレビ、ネットを含めマスコミって今後どうなるのか。鳥越さんはどう考えていますか。

鳥越: 僕はそんなに急激に変わらないと思いますけどね。やっぱりそれぞれの役割はそれぞれの役割としてあるし。まぁ、ネットの社会は始まったばかりですしどんどん変わっていくと思いますよ。色んな可能性があるので。オーマイニュースがもうちょっと伸びるのかここで終わるのかわかりませんし。
ただ、カキコミ掲示板のようなものをもってメディアと言っていいのかというのは留保しなければならない。ブログもまさに玉石混交で、本当に真面目に情報発信しているものもあれば、中学生の日記のようなものもあるわけですよねぇ。それはもう、マスコミュニケーションのメディアとは呼べない。明らかに娯楽の世界ですよね。楽しんでいるんですよね。

「ブログの女王」見たら、本当にナンダヨ~

ブログの女王と言われた眞鍋かをり、今は、しょこたん。これを見たら、本当にナンダヨ~というくらい(笑い)。写真が載っていて、彼女がドコに行った、何を食ったという日記が書いてある。一日に何度も更新して、それを更新に合わせて見に行くわけだから、アクセス数がパンと上がる。しかし、その分、テレビなんかは視聴率が落ちるんですよ。全体的にね。若い人がテレビに向かっている時間と、ネットをやっている時間のどちらが多いかわからないし、ましてや新聞なんか読んでいる時間は無いわけだから。

大森: 僕も2年間くらい大学の非常勤講師をしていたけど、「AERA」って名前を知っていた学生は何人かいたけど、読んだことのある人は一人もいなくて、「なんか知らないけど、チョー難しい雑誌ですよね」。これで終わりでした(笑い)。一番驚いたのはケータイでしたね。講義中でもケータイをいじっている。漢字がわからなくもんだから、変換に使う。

鳥越: 本当は「辞書を引けー!!!」と言いたいんだけどね(笑い)。


【鳥越俊太郎プロフィール】
1940年生まれ、福岡県出身。65年京都大学文学部国史学科卒業。同年毎日新聞入社。社会部、外信部(テヘラン特派員)を経て、88年「サンデー毎日」編集長。89年同社を退職し同年10月から報道番組「ザ・スクープ」(テレビ朝日系)のキャスターを務めるなどテレビでも活躍。06年5月に「オーマイニュース」編集長就任。


【大森千明】
1971年に朝日新聞社入社。経済部畑を歩み、「アエラ」編集長、「週刊朝日」編集長などを務める。2006年1月に朝日新聞を退社し、ジェイ・キャストに入社。06年7月からJ-CASTニュース編集長。

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