2024年 5月 3日 (金)

日産新本社ビル作る余裕あるなら 国内で売れる車開発すべき、という声

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   日産自動車の国内販売の不振が泥沼化している。2006年12月まで、軽自動車を除く登録車の販売は15カ月連続でマイナスを記録、連続マイナスの月数は国内メーカーで最も長いものとなっている。日産車の販売店からも「最も勢いがある車は(スズキ三菱自動車からOEM供給を受ける)軽自動車」という、半ば「投げやり」のような声も聞かれる。そんな中、日産は国内販売体制の再構築に乗り出している。

国内販売の不振うけて販売会社の体制構築

新社屋を造るくらいなら売れる車を開発すべき?
新社屋を造るくらいなら売れる車を開発すべき?

   すでに近年では「ブルー」と「レッド」の完全併売化や販売事業会社と資産管理会社を分離し、資産管理会社を全国規模で統合するなど動きを見せてきたが、さらに直営の販社を全国で10社程度に統合するとの案が浮上してきた。

   05年に実施したブルーとレッドの完全併売化により、日産の国内販売チャンネルは事実上一本化した。さらに、06年4月には全国に52社ある直営販社をそれぞれ販売事業会社と資産管理会社に分離、販売事業会社は持ち株会社の傘下に統合、7月には資産管理会社を統合した。
   こうした体制構築を進める中で、ピーク時には4つもあった販売チャンネルの各店舗では、同一商圏に複数の店舗が隣接して存在するケースも少なくない。
   今回の新たな販売体制再構築案は、全国を10程度のブロックに分割し、各ブロック内で1~2社の販社に統合することにより、総務や人事、経理などの間接部門の合理化実現を目指すというもの。さらに、同一商圏内で近接する店舗は閉鎖や移転することにより、営業体制の強化と効率化を両立することを目指す。

   特に、東京や大阪を中心とする都市部では、こうした店舗のリロケーションを加速する考えで、都心部から従来は手薄とされていた郊外へと店舗を展開していく。さらに、こうした再構築案を直営販社だけでなく、地場資本販社でも展開するよう促していくことになる。

「インフィニティ」の国内展開困難?

   一方、トヨタ自動車が05年から高級車販売店「レクサス」の展開を始めたことを受けて、日産も米国などで展開する高級車チャンネル「インフィニティ」の国内展開を検討してきた。しかし、国内販売の極端な不振を受けて、今、その計画が暗礁に乗り上げる可能性も出てきた。
   日産は06年11月、12代目となる「スカイライン」の新型車を発売した。このスカイライン、海外では「G35」の名称で販売されており、米国などのインフィニティチャンネルでは台数が出る最量販車だ。これを日本でスカイラインの名称をそのままに、日産車販売店での発売に踏み切った。これによって、国内でインフィニティを展開するにしても、最量販車を失ったことになる。
   現在の日産車のラインアップからインフィニティブランド車を引き抜くことは日産販売店への影響も大きいため、複数のインフィニティ専用車を開発する必要が出てくる。今の日産に、複数の高級車を新規に開発する力があるのだろうか。

   日産は1月20日、横浜で新本社ビルの起工式を行った。09年10月の完成を目指し、総額420億円もの巨費を投じる。ある日産車販売店の店長からは「そんな余裕があるなら、国内で売れる車を開発してくれよ」といった嘆き節も聞かれる。

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