2024年 4月 20日 (土)

「白インゲンダイエット」に「頭が良くなる音」 問題番組連発TBSの体質

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   関西テレビの情報番組「発掘!あるある大事典II」のデータ捏造問題で、同社社長の引責辞任が確実視される中、「TBSにも『捏造番組!』」と「週刊新潮」が報じた。TBSは、「行き過ぎた表現があった」としたものの、見出しで「捏造」と言う表現をされたことを「遺憾」ともしており、謝っているのか反論しているのか分からない、煮え切らない態度だ。

   問題とされたのは、TBSが毎週土曜日19時から放送している番組「人間!これでいいのだ」。同番組は、2006年5月に白インゲン豆ダイエットを紹介し、視聴者に多数の食中毒の被害が発生した「ぴーかんバディ!」をリニューアルする形で、「情報科学バラエティ」と銘打ち、06年8月にスタートした。両番組ともアナウンサーの福澤朗さんが司会を務めているほか、プロデューサーも、同じ人物が担当していると見られる。

「勉強中にオルゴールを聞いて、頭が良くなるってことはない」

TBSにまた問題番組
TBSにまた問題番組

   07年2月3日の放送では、「聞くだけで頭が良くなる音」テーマでの特集が、CMを含めると10分強にわたって放送された。それによると、「神社の鈴」「バイオリン」「コオロギの声」「オルゴール」などが、2万ヘルツの以上の高周波を含む音「ハイパーソニック」を含んでいるとし、00年に発表されえた千葉工業大学情報科学部の論文から「ハイパーソニックを含む音を聞いた人の脳でα波が観察された」という一節を紹介。加えて大島清・京都大学名誉教授の「α波が出ると集中力が高まり、その結果記憶力が高まる」というインタビューも登場。どうやら、「ハイパーソニックを聞くとα波が出る→α波が出ると集中力・記憶力が高まる→頭が良くなる」という構成のようだ。

   これに噛みついたのが、「週刊新潮」2月15日号(首都圏では2月8日発売)。「TBSにも『捏造番組! 』」という見出しを掲げて、「ハイパーソニックを聞くとα波が出る」根拠になっている論文を執筆した、千葉工業大学情報科学部のメンバーの承諾を得ずに論文が使用されていることを暴露している(TBS側の説明によると、論文が掲載された雑誌の許諾は受けているという)。さらに、「α波を聞くと集中力が高まる」根拠になっていた発言していた大島教授は、同誌に対して、こう答えている。

「そもそも、勉強中にオルゴールを聞いて、頭が良くなるってことはないですよ。(略)まず、人によってα波が出る音は違うんですよ。子供の頃に、どんな音に接して気持ちよく思ったとかで、変わるんです。そんな三段論法みたいな簡単なものじゃあない」

謝っているのか反論しているのか不明

   このコメントを受け、同誌は、番組の内容を、このように一刀両断にしている。

「番組の拠り所に三段論法は根底から覆され、牽強付会の『ウソ解釈』が明らかなのだ」

   TBSは、報道各社の問い合わせを受け、2月7日、論文の筆者の了解を得ずに放送に使用したことと、表現が断定的だったことについてお詫びするコメントを発表した。その一方で、「データなどの捏造はない」とし、新潮の「捏造」という表現については「はなはだ遺憾」とも反論している。

   TBS広報部ではJ-CASTニュースに対して

「『頭が良くなる音』という表現は断定的で問題があったけれども、番組中で出てきたコメントは、一般的に言われていること。『0を100だ』というような『捏造』もやっていない」

   とも述べ、謝っているのか反論しているか、煮え切らない説明に終始した。どうやら、「個々のデータや識者のコメントに間違いはないが、それらを構成する際に、無理な推論をしたのがまずかった」というのが真意のようだ。また、「週刊新潮に対して抗議をするかどうかは決まっていない」と話している。

   なお、J-CASTニュースでは取材の際に、同社が報道各社に送付した資料の送付を要請したが、J-CASTニュースがネットメディアだからなのか、

「一般のメディアではないので」
「過去に、インターネットでそういうもの(資料の全文?)が公開されたこともあったので」

   という、これまた煮え切らない理由で拒否された。拒否の具体的な経緯についても「(私のレベルでは)よく分からない」とだけ答えた。
   総務省は07年2月8日、この問題についての事実関係の調査に乗り出した。

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