2024年 4月 28日 (日)

日興の意味不明会見 再発防止策に失望

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   日興コーディアルグループが「当社グループの信頼回復に向けた取り組みについて」と題して開いた「意味不明」の記者会見と役員の人事異動発表が、関係者の失望を買っている。マスメディアの間では「こんな意味のない発表でも、日興というだけで記事にしなくてはいけないのか」(大手紙記者)と嘆く声も聞こえ、「この程度の再発防止策しか示せないのは日興の危機感のなさの表れ。上場廃止は避けられないのでは」との観測が高まっている。

「抽象的で、心に響くものはなかった」

金融庁も今回の発表に失望?
金融庁も今回の発表に失望?

   日興の桑島正治社長らは07年2月13日夕、東京証券取引所内で会見し、「当社の問題意識」「具体的な対応策」などを示した。その中身たるや、「抽象的で、心に響くものは何一つなかった」(同)。再発防止のために企業統治(コーポレート・ガバナンス)を強化する「経営倫理委員会」を新設。内部統制システムを強化するため、「グループ管理部」「グループ管理部門執行役」「グループ統制部門執行役」「内部統制室」などを新たに設けるとしたが、名称の区別がつきにくいだけでなく、何のために何をする組織なのか、説明も空疎で不十分だった。

   人事異動も、杉岡広昭副社長が引責辞任し、新たに井田和夫取締役と小笠原範之執行役が副社長に昇格、空席だった会長に木村一義・日興コーディアル証券会長が就任するなどの人事を発表したが、こちらも新鮮味に欠けた。桑島社長は杉岡副社長の退任について「企業統治の責任者であり、本人から辞任の申し出があった」と述べ、引責辞任であることを認めた。有村純一前社長ら旧経営陣については「損害賠償訴訟に向けた協議を進めている。2月末までに結論を出したい」と述べるにとどまった。いずれも、すでに言われていた範囲内で、サプライズはなかった。

金融庁も今回の発表に失望?

   日興関係者によると、問題になった05年3月期の有価証券報告書の虚偽記載が「日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)」を舞台に行われ、債券発行日の改ざんなどを持ち株会社が見抜けなかった反省から、持ち株会社と子会社が経営を相互監視する仕組みが必要と判断、そこを強化した――とアピールしたかったようだ。しかし、問題のNPIについて、桑島社長は「今後の業務展開や人事制度を抜本的に見直したい」と述べるにとどまるなど、肝心な部分にはメスを入れずじまい。

   日興は「これでも連休返上で精一杯努力した結果だ」と、胸を張りたいのだろうが、内向きの議論と発表ばかりで、マスコミを含む外部に理解されなければ、再発防止策など示しても意味がない。金融庁も今回の発表に失望しているようで、文字通りこれで「信頼回復」が図れたのか、はなはだ疑問だ。

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