春闘本格復活 トヨタの「百円玉」に注目
2007.02.26 11:36
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去年より少しでも上がれば賃金相場を動かす
06年、トヨタが賃上げに応じた背景には、我慢を重ねた要求をはねつければ全社的なモチベーションダウンにつながるとの危惧があった。人手不足のなか、輸出好調によるフル生産を支える現場に報いる結果となったが、「理屈抜き」の言葉に表れたとおり生産性向上などの明快な根拠から導かれた妥結ではなかった。
今年はどうか。トヨタ労組の鶴岡光行執行委員長は労働の質に報いるべきという従来の考えに加え「賃上げの意義や必要性を労使で認識し議論を尽くしていくことが、日本経済に対するトヨタ労使の社会的役割」と賃金の社会性を訴えた。
世界最強の製造業と言われるトヨタ労使が社会性を意識するのはもっともなことではある。100円玉でも去年より上がれば賃金相場を動かす。横並びは崩れたとはいえ影響力は大きい。