2024年 5月 3日 (金)

補助金不正3年以上放置 「返す直前でした」は本当か 

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「検査院や農水省から最終結論の連絡や指導がなかった」

   発覚したのは04年6月だ。山形県経営安定対策課によると、会計検査院が山形県に対し、置賜農業共済組合の不正受給について調査をしている、として資料や検査報告を求めてきた。そして04年度中には、不正請求した2人の聞き取り調査内容などを報告した。関係者2人は、同組合から「厳重注意」を受けた。ところが、次に話題に上るのは、07年5月。会計検査院が、不正受給額の返済など「事後処理を依頼してきた」と説明する。不正請求に関して返還がされていないことを検査院が指摘したのだ。

   「空白」の3年間について同課は、「検査院や農水省から最終結論の連絡や指導がなかった」「事実確認の途中かと認識していた」と「言い訳」する一方、「当時の県担当者から引継ぎが十分でなかったという面もあった」と弁解することしきりだ。同課は、07年5月の検査院からの連絡以降は、再調査による不正申請額の確定などを進め、「返還に向けた詰めの作業中だった」。そこに遠藤氏の大臣就任、「不正受給額の未返還」の報道が続いたというのだ。「あと少しで返還が終わる予定だったのですが」と、未返還発覚のタイミングの悪さを呪った。

   「空白の3年については」、同組合も「上部からの指示がなかった」という見方を示している。また、実際に「県側」へ支払われた50万円については、山形県農業共済組合連合会が管理しているという点を指摘し、「(置賜)組合に直接お金が来ていた訳ではないので」。

   同連合会は「連合会が全く関係ないとはいいませんが、基本的には組合を県が指導することになっています」と巻き込まれたことに不満そうだ。

   一方の会計検査院の渉外広報室は、同組合の不正受給については、文書で公表する形ではまとめていないことを明らかにした。しかし、一般論として「不正があったことを指摘するのが検査院の仕事だが、すべてを文書の形で公表する訳ではない」と説明した。悪質性や金額など様々な「性質」を考慮し、「文書発表ではないが、不正を指摘する」ことは珍しくない。04年の段階で、不正の事実を指摘していたという認識だ。指摘が生かされているかチェックする作業もしており、実際同組合のケースでも、検査院の07年の「未返還」の指摘が山形県や同組合側の「しりをたたく」形にはなったようだ。

   また農林水産省保険課によると、04年の段階で山形県から検査院の指摘があったことは報告を受けていた。しかし「直接的には、県が指導監督する事案」で、県庁側も検査院とやりとりを続けていると聞いていたため、「どうこういう、ということは省としてはしなかった」。もっとも今後は、一般論として「関係当局と連絡を密にして対処していきたい」と「反省」として生かす考えはあるようだ。

   民主党の鳩山由紀夫幹事長は9月3日、記者団に「農水省の構造的な問題」として補助金の実態などを追及する考えを示した。

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