2024年 4月 28日 (日)

大相撲の冬巡業めぐり報道陣 入場料1万円徴収でバッシング

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   横綱朝青龍の復帰で注目が集まった冬巡業だが、思わぬところで波紋が広がっている。3日間あった日程の中で、最終日の「天草場所」の主催者が報道陣に入場料を要求、トラブルになったというのだ。その一方で、2日目の「柳川場所」の主催者は「臨機応変に」と、事実上入場料の徴収を行わなかったことを明らかにしており、対応が分かれている。

各紙「朝青龍に便乗」と批判報道

天草場所は、採算ラインをクリアしたという(写真は天草場所の告知ポスター)
天草場所は、採算ラインをクリアしたという(写真は天草場所の告知ポスター)

   冬巡業は2007年12月2日から3日間の日程で行われ、朝青龍関の復帰直後ということで大勢のファンが詰めかけ、朝青龍も、公の場で久々の笑顔を見せた。だが、巡業最終日の12月4日に、トラブルが発生したのだという。同日熊本県天草市で行われた「天草場所」で、主催者が報道陣に対して、1社につき1万円の入場料を求めた、というのだ。巡業で報道陣に対して入場料を要求するのはきわめて異例のため、報道陣が反発。1時間半にわたって押し問答が行われ、結局19社が入場料を支払ったという。主催者側の説明によると、巡業10日前に約500万円の赤字が出ることが判明したことから、徴収を決定したという。

   主催者側が「朝青龍関が来るから、報道陣もいっぱい来るだろうと思った」と発言したことから、各紙は「朝青龍に便乗」といった見出しで批判的に報じた。特に時事通信は

「最も安い入場券がいす席の5000円だったのに対し、報道陣には座席も与えられなかった」

と、怒りをぶちまけた。

   一方で、各紙からすれば、通信社の記事を使うことができる社もあることを考えると、「入場料を払うくらいだったら取材しない」と、席を蹴るという選択肢もあったはず。19社とは違って、取材せずに帰った社があったかどうか、主催者の1団体である牛深商工会議所に聞いてみたが、

「昨日は対応したが、今日は対応できる者がいないのでコメントできない」

とのことで、真相は分からない状態だ。もっとも、大手紙は、国内記事については通信社の配信を受けていないことも多く、例えば朝日新聞

   「朝青龍が朝げいこに登場する時間が迫っていたことから、結局、朝日新聞を含む19社が1万円を払い、取材を認められた」

などと入場料を支払った経緯を説明している。

   ちなみに、同日は2700人収容の会場に対して1900人が集まり、結局、採算ラインとされる7割はクリアした模様だ。

支払いが基本だが、柳川は取らず

   微妙な違いを見せたのが、その前日の12月3日に福岡県柳川市で行われた「柳川場所」だ。「MSN産経ニュース」は、

「3日の福岡県柳川市での巡業の勧進元(編注; 主催者)も報道陣に入場料の支払いを求めたが、交渉の結果、取材は自由となっていた」

と報じているが、主催者の柳川市商工会議所の事務局では

「ニュアンスが違う」

と反論する。

「会場に入る方には、基本的には全員チケットを買っていただく」

と話し、「報道陣も入場料を払うべき」との立場だ。その一方で、

「報道各社さんは純粋に相撲を見にいらっしゃる訳でもないですし、取材場所を指定させていただいているので、そのあたりは臨機応変に…」

とも話し、事実上入場料の徴収は行っていないことを明らかにしている。「本当は払うべき」との原則を掲げながらも、報道陣からは実際は徴収しない、という「運用」でカバーしている模様だ。

   もっとも、地元マスコミは特別扱いのようで、

「地元マスコミ各社には、あらかじめご招待を差し上げているので、スタッフには『入場料を取ってはいけない』と指示しました。各社さんには腕章を着けてもらわないと困りますけど」

とのことだ。

   天草も柳川も、基本的な考え方は同じだが、ちょっとした運用の差で、報道のされ方が大きく変わってしまった形だ。

   ちなみに、3500人収容の柳川の会場は、ほぼ満員だったという。

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