2019年 8月 20日 (火)

国語力アップに辞典の効用 広辞苑、10年ぶりに改訂

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   岩波書店の「広辞苑第六版」が2008年1月11日に発売される。広辞苑は1955年からの累計で1100万部を誇る、ベストセラー辞典。第六版は、1998年以来10年ぶりの改訂になる。この間、インターネットで無料検索できる「ネット辞書」に押され、時事用語辞典は「紙」からの撤退が目立った。そんな中、「広辞苑」はあくまで「紙」にこだわり、「紙で引く」ことの効用を説いている。

辞書を引く習慣づけで国語力アップ

2008年1月11日に発売される「広辞苑第6版」
2008年1月11日に発売される「広辞苑第6版」

   2007年4月に文部科学省が全国の小学6年生と中学3年生の計221万人を対象に行った全国学力テスト。11月にその結果が発表され、いまの子どもは「応用力が弱い」「記述式が弱い」ことが明らかになった。

   日本語力の低下を示すデータはまだある。独立行政法人のメディア教育開発センターが大学生の基礎学力を測定するためのプレースメントテストを実施した結果、私大生の2割、短大生の3人にひとりは日本語基礎力が中学生レベルだったことがわかり、「いまの学生たちの日本語力は戦後最悪です」(センターの小野博教授)と、関係者を嘆かせた。

   国語の時間割が減ったなど、ゆとり教育の弊害を指摘する声は少なくないが、とにかくこれからが肝心。「学ぶ力」をつけさせる教育が始まった。06年4~5月に大阪府教育委員会が行った「学力実態調査」では、「家に辞典がある子どもは学力が高い」という因果関係もわかった。06年に開校した京都市の立命館小学校は深谷圭助教頭が提唱した「辞書引き学習法」を取り入れ、小学校1年生から辞書に慣れ親しむ取り組みを進めている。

   この辞書引き学習は、日常生活の中で自然と「辞書を引く」行為を動機付けていく活動。辞書を使って、知っている、知らないに関わらず、言葉を調べる習慣をつけることで、自発的に勉強に取り組む姿勢を育むのが狙い。辞書に詰まっているたくさんの言葉を「読む」ように引くことができれば、言葉を知り、漢字を知り、国語力が備わってくるという。深谷教頭は「辞書は語彙力だけでなく、自ら学ぶ力がつく。言葉に興味を持ち始める小1のときが始め時」としている。

   岩波書店が、東京と大阪の小学校で延べ5年間以上国語を教えている先生を対象にした「児童の国語力と辞書に関する調査」によると、「辞書を引くことの、子どもの国語力向上への効果」について、「非常に効果がある」と答えた人は48.0%。「まあ、効果がある」は47.0%と、「効果がある」という回答が95.0%を占めた。この調査でも国語力の低下の原因として「本を読まなくなった」ことをあげた人は多かったが、このような反省もあって、全国の小学校で「朝の読書運動」や「読み聞かせ」教育が広がってきている。読書するように辞書を引く、辞書を手にとる、わからないことはすぐに確かめる。そうした習慣を身につけることが子どもたちの「本読み」の楽しみを深めることにもつながる。

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